0001記憶たどり。 ★
2018/03/29(木) 09:54:47.58ID:CAP_USER9筆者、満56歳であります。分別盛り、世間的には定年も近い。恥ずかしながらこの年になって、心の中に「美少女」が宿っていることに気づきました。
自分が美少女になって動くアプリケーションを使ったところ、今まで一切感じることのなかった少女の気持ちが心の中に生まれたのです。
最新のバーチャルリアリティー(仮想現実、VR)技術がもたらす圧倒的な没入感と表現力は、人の心の中にまで作用する力を持ち始めています。
「おじさん」が「美少女の心」を感じるまでに何が起きたのか。専門家と一緒に考えてみました。
■本来は3Dアニメを作るアプリ
使用したVRアプリは「PlayAniMaker(プレイアニメーカー)」。ツイッターID「@MuRo_CG」さんの作です。テスト配布されているアプリで、商品ではありません。
本来の用途は名前の通りアニメを作ること。登場するのは初音ミク、日本のネット文化を代表するバーチャルシンガーです。
PlayAniMakerを起動すると、ユーザーはミクのアバター(自分の分身となるキャラクター)の姿になってVR空間に登場、
アバターの手や指を細かく動かすことができます。
空間内には、小さなフィギュア(これもミク)も出現します。その腕や脚、髪、頭の位置や傾きなどを、指でつまんで調整し、
さまざまなポーズをとらせることができます。このフィギュアの方のミクが、3D CGアニメの「主役」です。
3Dのキャラクターを、まるで現実のフィギュアのように指で動かしてポーズを変え、1コマ1コマ撮影することで、簡単にアニメーションを作れるわけです。
3D CGはこれまで、平面のディスプレイを見ながらマウスを駆使し、3次元の座標を指定してやる必要がありました。
非常に手間と根気のいる作業だったわけです。しかしPlayAniMakerは完全に直感的に操作できます。
使い方については、作者の@MuRo_CGさん自身が作ったわかりやすい解説動画(
@YouTube
)がアップされています。
■自分のかわいらしさに心が跳ねる
筆者も最初は、3Dアニメを作ろうとしてこのアプリを起動したのですが、ふと気がつくと、正面のスクリーンに映っているミクが、
自分が動く通りに動いているではありませんか。
それを見て、何となく、アイドルの少女がグラビア撮影でするみたいに首を少しかしげ、ほおに軽く手を添えてみました。
「えっ?」
心臓が軽く跳ねました。何、このかわいらしさ。自分とは似ても似つかない愛らしい美少女が、リアルタイムに自分と同じ動きをする。
ちょっとポーズを変えてみます。首の傾きや顔の向き、手の動きなどはセンサーが瞬時に感知して、VR空間内のミクがほぼ自分の取った通りの姿勢をとります。
視線も変えることができます。表情は、視線の方向と顔の向きなどによって、くるくる自動的に変わります。要はプリセット(事前組み込み)なのですが、
その変わり方が実に自然で多彩。ほとんど千変万化といっていいほどで、@MuRo_CGさんの力量を痛感します。
コントローラーのボタンを押せば、自撮りもできます。撮影用のカメラは空間に浮かんでいるので、それを指でつまんで場所や向きを動かせば、
自在なアングルで撮影できます。
■生まれて初めて自撮りに夢中になる
こんな具合に、理屈はすぐ飲み込めました。それくらい直感的にできています。
「じゃ、こういうポーズで、この方向から撮ってみると、どんな感じに写るわけ?」
調子に乗って撮り続けます。視線は上目遣いよりやや下向きにした方が、自分好みのやわらかい表情が増す。
顔の方向も、少しうつむき加減にして、軽く横を向くと、愛らしい表情が引き出されるようだ――。
解説書みたいに書いていますが、ミク=自分が思いもよらぬかわいい表情をすると、すかさずシャッターを切り、
「今の、かわいかったぁ」とひとりごちながらコツをつかんでいくわけです。
逆に「もう少しかわいくできないかな?」とポーズや向きを変えるうち、元のかわいかった表情を再現できなくなることもあり、そういうときは無性に悔しくなります。
生涯で、これほど「自撮り」に夢中になったのは間違いなく初めてでした。