地球温暖化 港湾コスト増? 海面上昇など、最大2.5兆円 調査会社試算
毎日新聞2018年3月28日 東京夕刊
https://mainichi.jp/articles/20180328/dde/041/040/031000c
地球温暖化で海面上昇や高潮の傾向が強まると、国内11の主要港湾で土地のかさ上げ工事などが必要になり、最大計2兆5000億円の対策費が必要になるとの試算をシンガポールの調査会社が発表した。特に千葉港の対策費は6600億円とアジア地域最大で、今後、港湾整備計画を作る際には温暖化対策も考慮すべきだと指摘している。
国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)によると、世界の気温が産業革命前より平均約4度上がる場合、海面水位は最大80センチ上昇し、高潮の原因となる暴風の強さは20〜30%増すとしている。試算はこれを基に、アジアの主要53港湾について、浸水被害を防ぐための土地のかさ上げや防潮壁建設にかかる費用を分析した。
その結果、国内では千葉港で最大6600億円、北九州港で同5300億円、横浜川崎港で同4150億円−−が必要になると試算した。「コンテナヤードや倉庫の高台移設などがコストを押し上げる要因になった」としている。
調査したアジア・リサーチ・エンゲージメント社の担当者は「港湾は温暖化被害の最前線。早期の対策が将来のコスト増加を回避する鍵になる」と指摘する。【阿部周一】
毎日新聞2018年3月28日 東京夕刊
https://mainichi.jp/articles/20180328/dde/041/040/031000c
地球温暖化で海面上昇や高潮の傾向が強まると、国内11の主要港湾で土地のかさ上げ工事などが必要になり、最大計2兆5000億円の対策費が必要になるとの試算をシンガポールの調査会社が発表した。特に千葉港の対策費は6600億円とアジア地域最大で、今後、港湾整備計画を作る際には温暖化対策も考慮すべきだと指摘している。
国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)によると、世界の気温が産業革命前より平均約4度上がる場合、海面水位は最大80センチ上昇し、高潮の原因となる暴風の強さは20〜30%増すとしている。試算はこれを基に、アジアの主要53港湾について、浸水被害を防ぐための土地のかさ上げや防潮壁建設にかかる費用を分析した。
その結果、国内では千葉港で最大6600億円、北九州港で同5300億円、横浜川崎港で同4150億円−−が必要になると試算した。「コンテナヤードや倉庫の高台移設などがコストを押し上げる要因になった」としている。
調査したアジア・リサーチ・エンゲージメント社の担当者は「港湾は温暖化被害の最前線。早期の対策が将来のコスト増加を回避する鍵になる」と指摘する。【阿部周一】