【3月23日 AFP】英国が2019年3月の欧州連合(EU)離脱後に現行のワインレッドから青地に金のデザインに変更する新パスポート(旅券)の製造を、フランス・パリに本社を置く企業が受注することが22日報じられた。ブレグジット(Brexit、英国のEU離脱)の支持者らは「国辱」だと憤っている。
英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)によると、新パスポートの製造を受注するのはパリ郊外にあるオランダ系企業ジェムアルト(Gemalto)。これまで英国旅券の製造を担ってきた英企業デ・ラ・ルー(De La Rue)のマーティン・サザーランド(Martin Sutherland)最高経営責任者(CEO)はBBCラジオに対し、英内務省から契約打ち切りの通告があったことを明かした。
「英国民のアイデンティティーの象徴」であるパスポートが外国企業に製造委託されることに「驚き、失望した」と語ったサザーランド氏は、テリーザ・メイ(Theresa May)首相を自社工場に招待したい意向を表明。「『英国の象徴』の製造を外国に移転する決定が賢明だと考えた理由」を説明してもらいたいと述べている。
一方、内務省報道官は、入札で最も望ましい企業が「厳正な自由競争の結果、選ばれた」と説明した。
内務省は今回の新契約について、英国民の税負担を約1億2000万ポンド(約178億円)軽減し、70人分の雇用創出につながると主張。ジェムアルトは既に運転免許証や生体認証付き滞在許可証、出入国審査自動化ゲートなどを英政府から委託製造されている経験豊富で信頼の置ける企業だとしている。
だが、ブレグジット賛成派の急先鋒、プリティ・パテル(Priti Patel)前国際開発相は大衆紙サン(The Sun)に対し、「象徴的な青いパスポートへの回帰こそが英国のアイデンティティーを再建する」と述べた上で「しかし、その製造をフランスの手に委ねるとは驚くばかりだ。国辱だ」と語った。
英国は1921年から1988年まで濃紺の旅券を使用していたが、当時の欧州諸共同体(EC)加盟国に合わせてワインレッドの旅券に切り替えた経緯がある。このため、現在もEU加盟国で一般的なワインレッドから青への回帰は、ブレグジット賛成派にとって英国の主権回復の大きな象徴となっている。
http://www.afpbb.com/articles/-/3168516
英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)によると、新パスポートの製造を受注するのはパリ郊外にあるオランダ系企業ジェムアルト(Gemalto)。これまで英国旅券の製造を担ってきた英企業デ・ラ・ルー(De La Rue)のマーティン・サザーランド(Martin Sutherland)最高経営責任者(CEO)はBBCラジオに対し、英内務省から契約打ち切りの通告があったことを明かした。
「英国民のアイデンティティーの象徴」であるパスポートが外国企業に製造委託されることに「驚き、失望した」と語ったサザーランド氏は、テリーザ・メイ(Theresa May)首相を自社工場に招待したい意向を表明。「『英国の象徴』の製造を外国に移転する決定が賢明だと考えた理由」を説明してもらいたいと述べている。
一方、内務省報道官は、入札で最も望ましい企業が「厳正な自由競争の結果、選ばれた」と説明した。
内務省は今回の新契約について、英国民の税負担を約1億2000万ポンド(約178億円)軽減し、70人分の雇用創出につながると主張。ジェムアルトは既に運転免許証や生体認証付き滞在許可証、出入国審査自動化ゲートなどを英政府から委託製造されている経験豊富で信頼の置ける企業だとしている。
だが、ブレグジット賛成派の急先鋒、プリティ・パテル(Priti Patel)前国際開発相は大衆紙サン(The Sun)に対し、「象徴的な青いパスポートへの回帰こそが英国のアイデンティティーを再建する」と述べた上で「しかし、その製造をフランスの手に委ねるとは驚くばかりだ。国辱だ」と語った。
英国は1921年から1988年まで濃紺の旅券を使用していたが、当時の欧州諸共同体(EC)加盟国に合わせてワインレッドの旅券に切り替えた経緯がある。このため、現在もEU加盟国で一般的なワインレッドから青への回帰は、ブレグジット賛成派にとって英国の主権回復の大きな象徴となっている。
http://www.afpbb.com/articles/-/3168516