裁量労働制の不適切な調査データを巡り、加藤勝信厚生労働相は23日の衆院厚労委員会で、問題となった調査のうち裁量労働制に関する部分を撤回すると表明した。「実態を反映したものとは確認できなかった。撤回させていただく」と述べた。立憲民主党の西村智奈美氏への答弁。
厚労省は裁量労働制で働く人の労働時間を「1日1時間以下」としていた25事業所を改めて調査。確認できた15事業所全てで労働時間が1日1時間程度の労働者はいなかったため、データは誤りだったと22日に認めた。安倍晋三首相や加藤厚労相はデータ自体の撤回は拒否していたが、実際の調査で誤りが分かり、撤回に至った。
問題となっているのは厚労省の「2013年度労働時間等総合実態調査」。裁量労働制で働く人の方が一般労働者より労働時間が短いとしていたが、不適切なデータが相次ぎ発覚した。
政府は今国会の提出をめざす働き方改革関連法案から、裁量労働制の関連部分の全面削除を決定。厚労省は調査対象となった1万超の事業所のデータの精査を進めている。
2018/3/23 13:52
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28484210T20C18A3EA4000/