長野県飯山市と下水内郡栄村の小学生41人が13日、サケの稚魚約3千匹を飯山市一山の千曲川に放流した。同市や県などでつくる「千曲川(西大滝下流)水環境改善促進協議会」の主催で、県が関わる放流は18年ぶり。大きくなって、また川に戻ってきてね―。そんな願いを込め、子どもたちは小さな稚魚を冷たい水に放った。
飯山市戸狩小3年、栄村栄小5、6年生が、東京電力西大滝ダム(飯山市、野沢温泉村境)の上流約9キロで放流。子どもたちは川べりに並び、バケツに入った体長5、6センチ(約3グラム)の稚魚を川に泳がせた。
川の生物に関心を持ち、地域への愛着を育んでもらうのが目的で、放流前には県水産試験場(安曇野市)の専門研究員からサケの生態を学んだ。
県は1980年から2000年にかけて、県内の千曲川を中心にサケの稚魚約900万匹を放流。07?15年には新潟県のNPO法人「新潟水辺の会」が放流を続けていた。
同協議会によると、西大滝ダムに遡上(そじょう)するサケは16、17年ともに1匹。下流のJR東日本宮中取水ダム(新潟県十日町市)では602匹(17年)が遡上した。西大滝ダムの遡上数が少ない原因を調べるため、同協議会は3月中に、今回分を含めて稚魚計20万匹を千曲川に放流する。
信濃毎日新聞 3月14日
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20180314/KT180313SJI090011000.php