4日に告示された沖縄県石垣市長選は、陸上自衛隊部隊の配備容認派で現職の中山義隆氏に対し、元自民党県議の砂川利勝氏が出馬したことで保守系分裂が確定した。配備に反対する元市議の宮良操氏も出馬する三つどもえで、保守系候補が共倒れとなれば陸自配備への影響は避けられない。
告示を翌日に控えた3日夕の石垣港には、海上保安庁所属の最新鋭巡視船8隻が停泊していた。そこから約170キロ北西沖の尖閣諸島(石垣市)周辺で過酷な任務を課されている。
2日午前には、尖閣周辺の領海に中国公船4隻が侵入。約1時間半航行して領海外側の接続水域に出た。3、4両日も3隻の中国公船が尖閣周辺の接続水域で確認されている。海保によると、1隻は機関砲のようなものを搭載していた。
■用地取得費など136億円計上
政府・与党が石垣市長選を重視する背景には、そうした中国の動きがある。中国海警局は公船の増強を急いでいるとされ、すでに1千トン級以上の巡視船の数は日中間で2倍の開きが出ている。軍船を転用した重武装の公船の増加も確認されている。
公船だけでなく、南西諸島周辺の海空域では中国軍の艦船や戦闘機などの動きも活発化している。
防衛省は500〜600人規模の地対空・地対艦ミサイル部隊などの配備を計画。計画に理解を示す「中山市政」の継続を想定し、平成30年度予算案には用地取得費など136億円を計上した。
■元自民県議が立候補…募る懸念
しかし、中山氏の市政運営に不満を持つ市議らが支援する元自民党県議の砂川氏が立候補したことから、政府関係者は「保守系共倒れなら数年は陸自配備が遅れる」と懸念を募らせる。自民党幹部も「負ければ秋に控える県知事選にも影響する」と指摘する。
自民党本部は2月22日、党所属の全国会議員に二階俊博幹事長名で「檄文」を送り、中山氏陣営への支援を呼びかけた。告示後も党幹部を現地入りさせるなど国政選挙並みの態勢を敷く方針だ。
一方、民進党や共産党などが推す宮良氏は「保守系分裂は追い風になる」(選対関係者)とみて勝機を探る。陸自配備への理解を示しつつ白紙撤回を訴える砂川氏陣営の幹部は「番狂わせを起こす自信はある」と語る。(石鍋圭)
2018.3.4 21:15
産経ニュース
http://www.sankei.com/politics/news/180304/plt1803040016-n1.html
告示を翌日に控えた3日夕の石垣港には、海上保安庁所属の最新鋭巡視船8隻が停泊していた。そこから約170キロ北西沖の尖閣諸島(石垣市)周辺で過酷な任務を課されている。
2日午前には、尖閣周辺の領海に中国公船4隻が侵入。約1時間半航行して領海外側の接続水域に出た。3、4両日も3隻の中国公船が尖閣周辺の接続水域で確認されている。海保によると、1隻は機関砲のようなものを搭載していた。
■用地取得費など136億円計上
政府・与党が石垣市長選を重視する背景には、そうした中国の動きがある。中国海警局は公船の増強を急いでいるとされ、すでに1千トン級以上の巡視船の数は日中間で2倍の開きが出ている。軍船を転用した重武装の公船の増加も確認されている。
公船だけでなく、南西諸島周辺の海空域では中国軍の艦船や戦闘機などの動きも活発化している。
防衛省は500〜600人規模の地対空・地対艦ミサイル部隊などの配備を計画。計画に理解を示す「中山市政」の継続を想定し、平成30年度予算案には用地取得費など136億円を計上した。
■元自民県議が立候補…募る懸念
しかし、中山氏の市政運営に不満を持つ市議らが支援する元自民党県議の砂川氏が立候補したことから、政府関係者は「保守系共倒れなら数年は陸自配備が遅れる」と懸念を募らせる。自民党幹部も「負ければ秋に控える県知事選にも影響する」と指摘する。
自民党本部は2月22日、党所属の全国会議員に二階俊博幹事長名で「檄文」を送り、中山氏陣営への支援を呼びかけた。告示後も党幹部を現地入りさせるなど国政選挙並みの態勢を敷く方針だ。
一方、民進党や共産党などが推す宮良氏は「保守系分裂は追い風になる」(選対関係者)とみて勝機を探る。陸自配備への理解を示しつつ白紙撤回を訴える砂川氏陣営の幹部は「番狂わせを起こす自信はある」と語る。(石鍋圭)
2018.3.4 21:15
産経ニュース
http://www.sankei.com/politics/news/180304/plt1803040016-n1.html