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2月9日 19時29分
大阪の四天王寺が所蔵する、平安時代に作られた「懸守」と呼ばれる国宝のお守りの内部に、精巧に彫られた小さな仏像が納められていることが、京都国立博物館の調査でわかりました。当時の信仰について知るうえで貴重な史料だと注目されています。
「懸守」は、平安時代の貴族などが首から下げて身につけていたお守りで、大阪の四天王寺は、平安時代に作られ、金などで装飾された国宝の「懸守」を7つ所蔵しています。
依頼を受けた京都国立博物館がCTスキャンを使って詳しく調べたところ、高さ6センチ余り、幅7センチ余りの1つの「懸守」の中に、精巧に彫られた仏像が納められているのが確認されました。
仏像は高さ5センチほどの木の円柱を2つに割った断面に彫られ、もう一方の断面には仏具が彫られて、両方の背景には細く切った金箔を使ったとみられる装飾が施されていたということです。
「懸守」の中に仏像が納められているのが確認されたのは初めてだということで、当時の信仰を知るうえで重要な史料だと注目されています。
四天王寺の一本崇之学芸員は、「中に仏像が入っているとは非常に驚いた。仏様に守ってもらいたいと願う当時の人の強い思いを感じる」と話しています。