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1月29日 19時49分
高齢になってから万引きを繰り返すようになった被告の裁判で、東京地方裁判所は、認知機能の低下が影響している可能性を認め、専門家が支援計画を作っていることなどから、執行猶予のついた判決を言い渡しました。弁護士は「本来なら実刑になる事案で、意義深い判決だ」と評価しています。
会見を開いた梶浦明裕弁護士によりますと、都内に住んでいた80歳の被告は、18年前に脳梗塞になり、10年ほど前から万引きを繰り返すようになりました。
去年5月に執行猶予つきの判決を受け、確定した10日後に、再び食料品を万引きした罪に問われ、今回の裁判では、脳梗塞による脳の機能障害が影響しているとする精神科医の意見書や、社会福祉士が作った支援の計画書を提出したということです。
29日の判決で、東京地方裁判所の家令和典裁判官は「万引きの背景には、認知機能の低下の影響が疑われるほか、支援計画が策定され、再犯のおそれが著しく低い」として、保護観察のついた懲役1年、執行猶予3年の判決を言い渡しました。
梶浦弁護士によりますと、本来なら実刑が想定される事案だということで、「本人の障害を前提として、サポート環境を評価した意義深い判決だ」と話していました。