http://www.bbc.com/japanese/42829898
2018/01/26
米紙ニューヨーク・タイムズは25日、2016年米大統領選をめぐるロシア疑惑などを捜査するロバート・ムラー米特別検察官を、ドナルド・トランプ米大統領が昨年6月の時点で解任しようとしていたと報じた。ホワイトハウス法律顧問がそれならば自分が辞任すると反発したため、大統領は引き下がったという。
ニューヨーク・タイムズ紙は消息筋4人の話として、司法省が5月に特別検察官に任命したムラー氏が、トランプ氏による司法妨害の可能性を調べる方針だという報道が相次いだため、トランプ氏はムラー氏解任を検討したと伝えた。ホワイトハウスのドナルド・マギャン法律顧問はこれに対して、そのようなことをすれば政権に壊滅的な打撃を与えることになると政権幹部に反論し、ムラー氏解任を司法省に要請するくらいなら代わりに自分が辞任すると主張したという。
記事によると、ムラー氏が自分が実は着任から間もなく罷免されかけていたと知ったのは、ここ数カ月のことだという。
報道によると、ムラー氏が自分の司法妨害の可能性を調べるとの報道を受けてトランプ氏は、ムラー氏には適正な捜査を妨げる利益相反事項が3つあると、政権内で主張していた。トランプ氏が主張したという利益相反は次の3点。
・トランプ氏が所有するバージニア州のゴルフ場で、ムラー氏が会費をめぐりゴルフ場ともめて退会した
・トランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー大統領顧問の代理人を務めたことがある弁護士事務所に、ムラー氏が勤めていたことがある
・特別検察官に任命される前日に、FBI長官候補として面接されていた
ホワイトハウスはニューヨーク・タイムズの取材にただちに回答していない。
米紙ワシントン・ポストも続いて消息筋2人の話として、同様の内容を伝えている。
米メディアは、トランプ氏がムラー氏を解任するのではないかとの推測を繰り返し報じてきた。昨年12月にもさかんに報道され、トランプ氏は当時、記者団の質問に更迭は検討していないと答えていた。
自分の司法妨害を捜査しているとされる特別検察官をトランプ氏が更迭すれば、野党・民主党はこれを司法妨害とみて強く反発するのは必至。弾劾手続きのきっかけになる可能性もある。
今回の報道を受けて、民主党幹部で上院情報委員会副委員長のマーク・ワーナー議員は、「特別検察官の解任は、大統領が決して超えてはならない一線だ」と警告した。
「特別検察官を解任しようとしたり、主要証人に恩赦を与えたり、捜査を妨害するその他のあらゆる動きは、はなはだしい権力の乱用にあたる」とワーナー議員は強調した。
ムラー氏はトランプ氏自身の事情聴取を要求しているとされる。トランプ氏は24日、記者団の質問に答え、宣誓下で特別検察官による事情聴取を受ける準備が「完全に」できていると主張し、「結託なんて全くない、(司法)妨害なんて全くない」と話した。
特別検察官は、2016年の米大統領選にロシア当局が関与し、トランプ陣営と結託したのかどうかを調べるために、司法省が任命した。
トランプ政権は一貫して、ロシアとの結託を否定。トランプ氏はロシア疑惑を「魔女狩り」と一蹴してきた。
中央情報局(CIA)をはじめ複数の米情報機関は2016年末の時点で、ロシア政府が大統領選をトランプ氏に有利に動かそうと工作していたと結論しているが、ロシアはこれを否定している。
ロシア疑惑そのものとは別にムラー氏は、トランプ氏が昨年5月にジェイムズ・コーミー連邦捜査局(FBI)長官を解任したのは、ロシア疑惑の捜査妨害にあたるかを調べているともみられている。
コーミー前長官は解任後の上院公聴会で、大統領が自分に直接、フリン氏への捜査の手を緩めるよう要請してきたと宣誓証言している。
ホワイトハウスは当初、コーミー氏の罷免は司法省の勧告に基づいていると説明していた。しかし、トランプ氏は後に、コーミー氏を罷免した際には「あのロシアのこと」を考えていたとテレビで語った。
ムラー検察官は昨年秋から、トランプ陣営の元選対幹部や元外交顧問、政権の前大統領補佐官などを、次々と訴追している。最近では、コーミー氏の罷免に関わったジェフ・セッションズ司法長官や、コーミー氏から事情を聞いているほか、トランプ氏の側近だったスティーブ・バノン前首席戦略官を連邦大陪審に召喚したと報道されている。
(英語記事 Trump-Russia inquiry: President 'tried to fire Robert Mueller')
2018/01/26
米紙ニューヨーク・タイムズは25日、2016年米大統領選をめぐるロシア疑惑などを捜査するロバート・ムラー米特別検察官を、ドナルド・トランプ米大統領が昨年6月の時点で解任しようとしていたと報じた。ホワイトハウス法律顧問がそれならば自分が辞任すると反発したため、大統領は引き下がったという。
ニューヨーク・タイムズ紙は消息筋4人の話として、司法省が5月に特別検察官に任命したムラー氏が、トランプ氏による司法妨害の可能性を調べる方針だという報道が相次いだため、トランプ氏はムラー氏解任を検討したと伝えた。ホワイトハウスのドナルド・マギャン法律顧問はこれに対して、そのようなことをすれば政権に壊滅的な打撃を与えることになると政権幹部に反論し、ムラー氏解任を司法省に要請するくらいなら代わりに自分が辞任すると主張したという。
記事によると、ムラー氏が自分が実は着任から間もなく罷免されかけていたと知ったのは、ここ数カ月のことだという。
報道によると、ムラー氏が自分の司法妨害の可能性を調べるとの報道を受けてトランプ氏は、ムラー氏には適正な捜査を妨げる利益相反事項が3つあると、政権内で主張していた。トランプ氏が主張したという利益相反は次の3点。
・トランプ氏が所有するバージニア州のゴルフ場で、ムラー氏が会費をめぐりゴルフ場ともめて退会した
・トランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー大統領顧問の代理人を務めたことがある弁護士事務所に、ムラー氏が勤めていたことがある
・特別検察官に任命される前日に、FBI長官候補として面接されていた
ホワイトハウスはニューヨーク・タイムズの取材にただちに回答していない。
米紙ワシントン・ポストも続いて消息筋2人の話として、同様の内容を伝えている。
米メディアは、トランプ氏がムラー氏を解任するのではないかとの推測を繰り返し報じてきた。昨年12月にもさかんに報道され、トランプ氏は当時、記者団の質問に更迭は検討していないと答えていた。
自分の司法妨害を捜査しているとされる特別検察官をトランプ氏が更迭すれば、野党・民主党はこれを司法妨害とみて強く反発するのは必至。弾劾手続きのきっかけになる可能性もある。
今回の報道を受けて、民主党幹部で上院情報委員会副委員長のマーク・ワーナー議員は、「特別検察官の解任は、大統領が決して超えてはならない一線だ」と警告した。
「特別検察官を解任しようとしたり、主要証人に恩赦を与えたり、捜査を妨害するその他のあらゆる動きは、はなはだしい権力の乱用にあたる」とワーナー議員は強調した。
ムラー氏はトランプ氏自身の事情聴取を要求しているとされる。トランプ氏は24日、記者団の質問に答え、宣誓下で特別検察官による事情聴取を受ける準備が「完全に」できていると主張し、「結託なんて全くない、(司法)妨害なんて全くない」と話した。
特別検察官は、2016年の米大統領選にロシア当局が関与し、トランプ陣営と結託したのかどうかを調べるために、司法省が任命した。
トランプ政権は一貫して、ロシアとの結託を否定。トランプ氏はロシア疑惑を「魔女狩り」と一蹴してきた。
中央情報局(CIA)をはじめ複数の米情報機関は2016年末の時点で、ロシア政府が大統領選をトランプ氏に有利に動かそうと工作していたと結論しているが、ロシアはこれを否定している。
ロシア疑惑そのものとは別にムラー氏は、トランプ氏が昨年5月にジェイムズ・コーミー連邦捜査局(FBI)長官を解任したのは、ロシア疑惑の捜査妨害にあたるかを調べているともみられている。
コーミー前長官は解任後の上院公聴会で、大統領が自分に直接、フリン氏への捜査の手を緩めるよう要請してきたと宣誓証言している。
ホワイトハウスは当初、コーミー氏の罷免は司法省の勧告に基づいていると説明していた。しかし、トランプ氏は後に、コーミー氏を罷免した際には「あのロシアのこと」を考えていたとテレビで語った。
ムラー検察官は昨年秋から、トランプ陣営の元選対幹部や元外交顧問、政権の前大統領補佐官などを、次々と訴追している。最近では、コーミー氏の罷免に関わったジェフ・セッションズ司法長官や、コーミー氏から事情を聞いているほか、トランプ氏の側近だったスティーブ・バノン前首席戦略官を連邦大陪審に召喚したと報道されている。
(英語記事 Trump-Russia inquiry: President 'tried to fire Robert Mueller')
