京都市南区の日本自立生活センターが17日、障害者の強制不妊手術問題について同区で勉強会を開く。
今月、宮城県内の60代女性が旧優生保護法(1948〜96年)に基づき不妊手術を強いられたとして
国を相手に賠償を求め仙台地裁に訴える予定で、提訴の支援者も招き、問題点や実態を学ぶ。
企画したのは同センターの岡山祐美さん(37)や龍谷大非常勤講師の松波めぐみさん(50)ら。
背景には「法改正後20年以上たつが、世間にはいまだに『障害者だから仕方がなかった』という空気が厳然としてある」(松波さん)との強い危機感がある。
岡山さん自身は筋肉が徐々に萎縮していく難病、遠位型ミオパチーの患者で、
優生保護法の存在は法改正後の2000年に大学の授業で学んだ。
症状が進行して肢体不自由となり、16年に同センターで女性障害者の権利擁護の活動を始めて以降、
依然として不妊手術を強要された人への謝罪も補償もされていないことを知る。
「自分も同法の対象となったかもしれない」と恐怖心が募る中、
「障害がある女性が子どもを産んだら大変だから仕方ない」と考えるヘルパーにも出会った。
命に優劣を付ける優生保護法の考え方が今も世間に根深くあるというのが岡山さんの実感だ。
「相模原市障害者施設殺傷事件の加害者の優生思想にもつながる。
過去の話ではなく、裁判を機により多くの市民に、強制不妊手術問題を知ってほしい」としている。
勉強会は17日午後5時半から南区の市地域・多文化交流ネットワークセンターで。
強制不妊手術を受けた日本とカナダの女性を取り上げたドキュメンタリー上映と、
国を提訴する女性の支援者らによる説明などがある。
無料。問い合わせは日本自立生活センター075(671)8484。
■強制不妊手術問題
旧優生保護法により不妊手術を強要されたのは少なくとも全国で約1万6千人、
京都府内で89人が確認されている。知的障害などの遺伝をなくすとの理由や、
施設入所後に月経の処理が大変という健常者の都合を優先し、障害者の生殖機能を奪ってきた。
国連女性差別撤廃委員会や日弁連が国に補償や謝罪を求めているが、国は「当時は適法だった」と応じていない。
画像:障害者の強制不妊手術についての勉強会を企画した岡山さん(右)と松波さん。
いまだに残る「障害者だからしかたない」という世間の空気に危機感を強めている=京都市南区・日本自立生活センター
京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20180112000070
今月、宮城県内の60代女性が旧優生保護法(1948〜96年)に基づき不妊手術を強いられたとして
国を相手に賠償を求め仙台地裁に訴える予定で、提訴の支援者も招き、問題点や実態を学ぶ。
企画したのは同センターの岡山祐美さん(37)や龍谷大非常勤講師の松波めぐみさん(50)ら。
背景には「法改正後20年以上たつが、世間にはいまだに『障害者だから仕方がなかった』という空気が厳然としてある」(松波さん)との強い危機感がある。
岡山さん自身は筋肉が徐々に萎縮していく難病、遠位型ミオパチーの患者で、
優生保護法の存在は法改正後の2000年に大学の授業で学んだ。
症状が進行して肢体不自由となり、16年に同センターで女性障害者の権利擁護の活動を始めて以降、
依然として不妊手術を強要された人への謝罪も補償もされていないことを知る。
「自分も同法の対象となったかもしれない」と恐怖心が募る中、
「障害がある女性が子どもを産んだら大変だから仕方ない」と考えるヘルパーにも出会った。
命に優劣を付ける優生保護法の考え方が今も世間に根深くあるというのが岡山さんの実感だ。
「相模原市障害者施設殺傷事件の加害者の優生思想にもつながる。
過去の話ではなく、裁判を機により多くの市民に、強制不妊手術問題を知ってほしい」としている。
勉強会は17日午後5時半から南区の市地域・多文化交流ネットワークセンターで。
強制不妊手術を受けた日本とカナダの女性を取り上げたドキュメンタリー上映と、
国を提訴する女性の支援者らによる説明などがある。
無料。問い合わせは日本自立生活センター075(671)8484。
■強制不妊手術問題
旧優生保護法により不妊手術を強要されたのは少なくとも全国で約1万6千人、
京都府内で89人が確認されている。知的障害などの遺伝をなくすとの理由や、
施設入所後に月経の処理が大変という健常者の都合を優先し、障害者の生殖機能を奪ってきた。
国連女性差別撤廃委員会や日弁連が国に補償や謝罪を求めているが、国は「当時は適法だった」と応じていない。
画像:障害者の強制不妊手術についての勉強会を企画した岡山さん(右)と松波さん。
いまだに残る「障害者だからしかたない」という世間の空気に危機感を強めている=京都市南区・日本自立生活センター
京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20180112000070