名古屋市は10日、2018年度当初予算案のたたき台となる財政局案を発表した。木造復元に向け5月7日から天守閣を閉鎖する名古屋城について、夏などに開園を1時間延ばし、誘客を強化する事業を盛り込んだ。6月に完成公開となる本丸御殿の情報発信や、愛知県と連携した観光キャンペーンなどの費用も計上し、名古屋の魅力向上への事業に力を入れる。
今後、河村たかし市長による査定を経て、2月上旬に正式な予算案として市議会に提出する。財政局案では名古屋城天守閣の木造復元の設計や工事の費用は盛り込んでおらず、市長査定で詳細を決める。
27年のリニア中央新幹線の開業を見据え、名古屋駅のターミナル機能強化や市街地の整備を続ける。栄地区の活性化を目指し、久屋大通公園の北・テレビ塔エリアの整備や、南エリアの再開発の検討、栄バスターミナルの移転などを進める。金山総合駅の連絡通路橋の耐震補強工事を進めるほか、堀川で民間事業者による水上交通の運航ができないか検討する。
公園や小学校など市有地を活用した保育所整備も進める。一連の待機児童対策は財政局案段階で24億円を計上した。いじめや不登校などにスクールカウンセラーらが対応する「なごや子ども応援委員会」も体制強化に向けた費用を盛り込んだ。
天皇の退位に伴う改元で、財務会計や住民記録などのシステム改修を実施する。改元に関する費用は市役所全体で4億円強となる。
配信2018/1/10 21:15
日本経済新聞
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