イカ漁をしていた北朝鮮籍とみられる木造船が相次いで漂流・漂着している。海上保安庁は、日本海のほぼ中央に位置するイカなどの好漁場「大和堆(やまとたい)」周辺で転覆し、沿岸に流れ着いたとみている。一方、漁業関係者らによると、木造船は日本の漁船に近づいて流し網漁をするため、大和堆で操業できないケースも出ている。
「流されている船がたくさんある」。日本海で操業する漁船に注意を呼びかける無線が流れたのは11月ごろ。直前に上陸・接近した台風21号や22号の影響でしけが続き、日本の漁船は港に待避していた。
全国いか釣り漁業協会(東京)の理事で青森県むつ市の漁業、吉井隆光さん(72)によると、台風の後に漁場に戻った漁船が、数十隻の木造船が漂流しているのを見つけたという。10月ごろの大和堆は産卵のために南下するイカが捕れる。日本の漁船は「いさり火」と呼ばれる集魚灯で夜間にイカを集めて1匹ずつ釣り上げる。しかし、吉井さんによると、北朝鮮の船は日本の漁船に近づいて明かりに集まったイカを流し網漁で取るという。
昨年9月、大和堆で漁をする同協会所属の漁船のレーダーには、無数の小さな点が映っていた。日本の漁船は通常、互いに一定の距離を置いている。同協会によると、小さな点は北朝鮮の船という。別の漁船が今年7月に撮影した映像では、北朝鮮の国旗を掲げた木造船の漁師らが、手でたぐり寄せた網からイカを外していた。
流し網漁では集まったイカの多くを取ってしまうため、親イカが減る懸念が出ている。同協会によると、漁獲量は14年度は約2万4900トンだったが、16年度は約1万8700トンに減少。今年度は11月末までで約1万5100トンと不漁が続く。
13隻が所属する石川県漁協小木支所(同県能登町)によると、今年6月から大和堆で操業しようとしたが、北朝鮮の船が多く、北海道・礼文島周辺にある漁場「武蔵堆」に移動を余儀なくされた。同支所の神谷洋志郎総務部長は「(北朝鮮の船は)木造で波にも流されやすい。近くで操業すれば網がスクリューにからまる恐れがあり、事故につながる」と懸念する。武蔵堆は遠いため燃料費もかさむ。神谷部長は「漁場を一つ失ったのだから痛手だ。漁獲減は覚悟している」と話す。
北海道函館市の複数の漁船も6月のスルメイカ漁解禁後、大和堆に向かったが、操業を断念して武蔵堆に向かった。函館渡島いか釣漁業協議会の関係者は「漁師からは『集魚灯をつけると船が集まってくる。危なくて漁にならない』と話していた」と明かした。
一方、山形県酒田市の酒田海上保安部には出漁中の漁船から、転覆し漂流中の木造船の撤去を求める通報が寄せられているという。しかし、同部は「ロープでけん引するしかないが、冬の日本海では危険な作業で難しい」としている。
全国いか釣り漁業協会は6月、大和堆での違法操業の取り締まりを求める要請書を海上保安庁と水産庁に提出している。【佐藤裕太、石川将来、的野暁、山田泰雄】
配信2017年12月15日 20時58分
毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20171216/k00/00m/040/106000c
関連スレ
【EEZ】大和堆で北朝鮮漁船1100隻を排除 海上保安庁
http://2chb.net/r/newsplus/1513336469/
【社会】北朝鮮船のため、日本でイカ水揚げ量が500トン減少
http://2chb.net/r/newsplus/1513124427/
「流されている船がたくさんある」。日本海で操業する漁船に注意を呼びかける無線が流れたのは11月ごろ。直前に上陸・接近した台風21号や22号の影響でしけが続き、日本の漁船は港に待避していた。
全国いか釣り漁業協会(東京)の理事で青森県むつ市の漁業、吉井隆光さん(72)によると、台風の後に漁場に戻った漁船が、数十隻の木造船が漂流しているのを見つけたという。10月ごろの大和堆は産卵のために南下するイカが捕れる。日本の漁船は「いさり火」と呼ばれる集魚灯で夜間にイカを集めて1匹ずつ釣り上げる。しかし、吉井さんによると、北朝鮮の船は日本の漁船に近づいて明かりに集まったイカを流し網漁で取るという。
昨年9月、大和堆で漁をする同協会所属の漁船のレーダーには、無数の小さな点が映っていた。日本の漁船は通常、互いに一定の距離を置いている。同協会によると、小さな点は北朝鮮の船という。別の漁船が今年7月に撮影した映像では、北朝鮮の国旗を掲げた木造船の漁師らが、手でたぐり寄せた網からイカを外していた。
流し網漁では集まったイカの多くを取ってしまうため、親イカが減る懸念が出ている。同協会によると、漁獲量は14年度は約2万4900トンだったが、16年度は約1万8700トンに減少。今年度は11月末までで約1万5100トンと不漁が続く。
13隻が所属する石川県漁協小木支所(同県能登町)によると、今年6月から大和堆で操業しようとしたが、北朝鮮の船が多く、北海道・礼文島周辺にある漁場「武蔵堆」に移動を余儀なくされた。同支所の神谷洋志郎総務部長は「(北朝鮮の船は)木造で波にも流されやすい。近くで操業すれば網がスクリューにからまる恐れがあり、事故につながる」と懸念する。武蔵堆は遠いため燃料費もかさむ。神谷部長は「漁場を一つ失ったのだから痛手だ。漁獲減は覚悟している」と話す。
北海道函館市の複数の漁船も6月のスルメイカ漁解禁後、大和堆に向かったが、操業を断念して武蔵堆に向かった。函館渡島いか釣漁業協議会の関係者は「漁師からは『集魚灯をつけると船が集まってくる。危なくて漁にならない』と話していた」と明かした。
一方、山形県酒田市の酒田海上保安部には出漁中の漁船から、転覆し漂流中の木造船の撤去を求める通報が寄せられているという。しかし、同部は「ロープでけん引するしかないが、冬の日本海では危険な作業で難しい」としている。
全国いか釣り漁業協会は6月、大和堆での違法操業の取り締まりを求める要請書を海上保安庁と水産庁に提出している。【佐藤裕太、石川将来、的野暁、山田泰雄】
配信2017年12月15日 20時58分
毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20171216/k00/00m/040/106000c
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