原発賠償金詐欺で男逮捕「福島から転入」偽造住民票
[2017年12月7日10時1分 紙面から]
https://www.nikkansports.com/general/news/201712070000175.html 東京電力福島第1原発事故当時、避難指示地域内に住んでいたように住民票を偽造し、東京電力からの賠償金をだまし取ったとして、警視庁は6日までに、詐欺の疑いで東京都葛飾区、無職大関勝義容疑者(60)を逮捕
した。東京湾岸署によると、容疑を否認しているという。署によると、大関容疑者は偽名も使い、本人名義と偽名名義の2人分として、11年5月から14年10月まで計2600万円を振り込ませていたという。
東京湾岸署によると、逮捕容疑は14年9月、東電福島第1原発事故発生当初に屋内退避指示が出た20〜30キロ圏内に住んでいたか
のように葛飾区の住民票を偽造し、東電に賠償金の請求を行って同年10月、162万円を自分の口座に振り込ませた疑い。
署の調べに対し、大関容疑者は「当時、福島に住んでいた」と容疑を否認しているという。
署によると、大関容疑者は1人暮らしだが、「大関勝義」という本名と、「大関○○」という偽名の2人分の賠償金を東電に請求。署
は、大関容疑者が、11年5月から14年10月まで、本人名義分1300万円と偽名名義分1300万円の計2600万円を、だまし取ったとみて、逮捕容疑となった請求回以外の請求についても裏付けを進める。
捜査関係者によると、大関容疑者は東電への請求時、葛飾区の正規の住民票を取得。11年4月に屋内退避指示が出ていた地域から、葛飾区
に避難のために転入したように一部を偽造。この偽造住民票のコピーを関係書類に添付して東電に賠償請求していたという。
大関容疑者が請求時に使用していた福島県内の住所は実在する家のものだった。しかし、署が確認したところ、その家には原発事故以前から長年暮らしていた住民が住んでおり、大関容疑者のことは、まったく知らなかったという。
東電が15年2月、署に被害を相談し、先月告訴。署が捜査していた。
葛飾区内の大関容疑者が住んでいたマンション関係者は「口数は少なかったが、あいさつをすれば会釈する優しそうな人だった」と話した。