ロンドン(CNNMoney) カタツムリのネバネバした粘液から生成する抽出物のムチンを原料とする化粧品が、韓国から米国に上陸して存在感を高めつつある。
市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルによると、韓国製のカタツムリ・クリームは2011年以来、米国で急速に進出を拡大してきた。
今では大手小売りチェーンのターゲットやCVSでも扱うようになり、「絶大な」反響があるという。ただ、両チェーンとも販売数は公表していない。
韓国製の化粧品を両社に供給している業者は、カタツムリ・クリームについて「当社のウェブサイトでもトップ級の売れ行き」と説明し、「韓国ではある意味で主流の成分になりつつある。ここ米国でもいずれそうなると思う」と予想する。
カタツムリのムチンは1995年、チリの化粧品メーカー、エリシーナが初めて化粧品に使用した。ヒントになったのは、カタツムリを扱うと傷の治りが早いという農家の証言だった。
その10年後、韓国のメーカーが国内向けにカタツムリ製品を販売。これがきっかけとなって人気に火が付いた。
韓国の化粧品市場は72億ドル(約8000億円)の規模を誇り、売上高は世界8位。同国の消費者は、普段と違う新しい成分も積極的に試そうとする傾向があるという。
カタツムリ・クリームの愛好者は、皮膚の傷痕やしわ、ニキビなどの状態が改善されると話す。皮膚科医でカリフォルニア大学准教授のサブリナ・ファビ氏によると、カタツムリの分泌物には、老化を目立たなくする物質が含まれている可能性があるという。
ただし美容クリームの効果は、有効成分の濃度や、それが皮膚に浸透するかどうかで違いがあるとも言い添えた。

カタツムリのムチンは1995年にチリの化粧品メーカー、エリシーナが初めて化粧品に使用した