横浜市西区のみなとみらい21地区に、音楽コンサート会場の新設が続々と決まっている。コンサート市場の拡大を背景に、都心へのアクセスの良さや敷地を確保しやすいことなどの利点があって選ばれているようだ。会場を新設する事業者は「みなとみらいが『音楽の町』として世界に認知されるようになれば」と構想を描く。【杉山雄飛】
東京都港区の不動産会社「ケン・コーポレーション」は音楽専用では世界最大級の2万人規模のアリーナを2021年度に新設する。同社などによると、アリーナを核とした「音楽のテーマパーク」をコンセプトに、約380室を備えるホテル(地上21階)▽賃貸オフィスビル(同20階)▽玩具コレクションなどの展示施設(同2階)−−を一体的に整備する。
アリーナは扇形の5階建てで、大手レコード会社と組んで運営。敷地内では、大道芸やジャズなどの音楽パフォーマンスが楽しめる空間をイメージしているという。建設予定地はみなとみらい線新高島駅近くの市有地約3ヘクタールで、市の事業公募で採用された。
みなとみらい21地区には他にも、チケット事業大手「ぴあ」が1万人収容の音楽アリーナを20年春に開業予定。ゲーム開発会社「コーエーテクモゲームス」なども約2000人収容のライブホールを同時期にスタート予定で、新設が相次ぐ。
コンサート会場にみなとみらいが選ばれる理由について、ケン・コーポレーションの担当者は「アクセスのいい駅の近くに(建設可能な)広い土地がある」と指摘。「海や横浜ベイブリッジなどが見え、シドニーのオペラハウスのような国を代表する風景になる」と自信を持つ。ぴあの担当者も「エンタメ関連施設やパシフィコ横浜もあり、文化発信の拠点として魅力的」と絶賛。また、業界関係者は「みなとみらいの音楽フェスティバルを開いて、施設間の連携もできれば」と展望を広げている。
◇CD販売数の減少影響
音楽アリーナが新設される背景には、CD販売数の減少に伴ってコンサートでの収益を狙う音楽業界の戦略もあるとみられる。
日本レコード協会や業界団体の調査によると、国内のCDの生産数は2007年で約2億6034万枚だったが、16年は約1億5922万枚で約40%減少した。一方、コンサートチケットの市場規模は11年が1634億円だったのに対し、16年は3372億円と2倍に急増。グッズや飲食代も考慮すれば、市場規模はさらに拡大しているとみられる。
また、平均チケット単価(ポップス)も6481円(11年)から8419円(16年)に高額化。消費行動が従来の買い物から体験を楽しむ「コト消費」に移る潮流も市場拡大に影響しているようだ。
加えて、首都圏で大規模なコンサートができる会場が日本武道館(東京都)や横浜アリーナ(横浜市)、さいたまスーパーアリーナ(さいたま市)などに限られることも新設を後押ししている。
配信11/14(火) 10:04
毎日新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171114-00000019-mai-soci
東京都港区の不動産会社「ケン・コーポレーション」は音楽専用では世界最大級の2万人規模のアリーナを2021年度に新設する。同社などによると、アリーナを核とした「音楽のテーマパーク」をコンセプトに、約380室を備えるホテル(地上21階)▽賃貸オフィスビル(同20階)▽玩具コレクションなどの展示施設(同2階)−−を一体的に整備する。
アリーナは扇形の5階建てで、大手レコード会社と組んで運営。敷地内では、大道芸やジャズなどの音楽パフォーマンスが楽しめる空間をイメージしているという。建設予定地はみなとみらい線新高島駅近くの市有地約3ヘクタールで、市の事業公募で採用された。
みなとみらい21地区には他にも、チケット事業大手「ぴあ」が1万人収容の音楽アリーナを20年春に開業予定。ゲーム開発会社「コーエーテクモゲームス」なども約2000人収容のライブホールを同時期にスタート予定で、新設が相次ぐ。
コンサート会場にみなとみらいが選ばれる理由について、ケン・コーポレーションの担当者は「アクセスのいい駅の近くに(建設可能な)広い土地がある」と指摘。「海や横浜ベイブリッジなどが見え、シドニーのオペラハウスのような国を代表する風景になる」と自信を持つ。ぴあの担当者も「エンタメ関連施設やパシフィコ横浜もあり、文化発信の拠点として魅力的」と絶賛。また、業界関係者は「みなとみらいの音楽フェスティバルを開いて、施設間の連携もできれば」と展望を広げている。
◇CD販売数の減少影響
音楽アリーナが新設される背景には、CD販売数の減少に伴ってコンサートでの収益を狙う音楽業界の戦略もあるとみられる。
日本レコード協会や業界団体の調査によると、国内のCDの生産数は2007年で約2億6034万枚だったが、16年は約1億5922万枚で約40%減少した。一方、コンサートチケットの市場規模は11年が1634億円だったのに対し、16年は3372億円と2倍に急増。グッズや飲食代も考慮すれば、市場規模はさらに拡大しているとみられる。
また、平均チケット単価(ポップス)も6481円(11年)から8419円(16年)に高額化。消費行動が従来の買い物から体験を楽しむ「コト消費」に移る潮流も市場拡大に影響しているようだ。
加えて、首都圏で大規模なコンサートができる会場が日本武道館(東京都)や横浜アリーナ(横浜市)、さいたまスーパーアリーナ(さいたま市)などに限られることも新設を後押ししている。
配信11/14(火) 10:04
毎日新聞
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