http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171109/k10011218061000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_004
11月9日 21時28分
スーパーマーケットや百貨店など流通業界で働く人の70%が客から暴言や説教といった悪質なクレームなどを受けた経験があると回答したことが労働組合が初めて行った実態調査でわかりました。組合側は「ここまで大変な思いをしているのかと驚いた。度を超えたクレームに対しては毅然(きぜん)とした対応を取るよう求めていきたい」としています。
この調査はスーパーマーケットや百貨店、コンビニエンスストアといった流通業界で働く人などの労働組合で作るUAゼンセンが、ことし6月から7月にかけて初めて行ったもので、全国の組合員5万人余りから回答を得ました。
それによりますと、仕事中に客から悪質なクレームなどの迷惑行為を受けたことがあると回答した人は3万6000人と全体の70%に上りました。
迷惑行為の内容について複数回答で尋ねたところ、回答した人のうち、「暴言」が49%の2万4100人、「同じ内容を繰り返す」が29%の1万4200人、「説教など権威的態度」が27%の1万3300人で、「セクシュアルハラスメントを受けた」という人もおよそ10%の4900人いました。
また、心身への影響について尋ねたところ、回答した人のうち90%近い3万3400人が「ストレスを感じた」と回答し、「精神疾患になった」と答えた人も359人いました。
中には「2時間にわたって正座させられ片方の耳が聞こえなくなった」という男性や、「客から腕で何度も胸をつつかれ、上司に報告したが、『大ごとになる』と対応してもらえず、体調を崩して精神疾患になった。私に人権はないのか」とつづった女性もいました。
UAゼンセン流通部門の安藤賢太社会政策部長は「流通業界は客と対面して接する機会が多く、長年、『お客様は神様だ』と言われてきたが、現場はここまで大変な思いをしているのかと驚いた。良心的な客がほとんどだが、度を超えたクレームに対しては毅然(きぜん)とした対応を取るよう企業に要請するとともに国に対しても法整備なども求めていきたい」としています。
関東地方のスーパーマーケットでことし9月まで働いていた40代の女性は、今回の調査でクレームなどの迷惑行為で「強いストレスを感じた」と回答しました。
女性は去年、店で中年の男性客から「SNSに書き込む」と脅されたといいます。この店では一定額以上の買い物をした客に抽せんで景品をプレゼントするキャンペーンをしていましたが、客は与えられた回数を超えても「自分はこの店の上客で、毎日たくさん買い物をしているので特別にやらせろ」と求めてきたということです。
女性が断ったところ、客は大声で「聞いてくれないならインターネットの掲示板に個人名を出して投稿することもできるんだ」と脅してきたということです。やり取りは1時間ほどにわたって続き、女性は「大声を出され、心臓がどきどきして手が震えて、何かされるんではないかと怖かった。『あんたなんて簡単にやめさせることができるんだ』と言われ、本当にこの先仕事ができなくなるのではないかと感じた」と話しました。
女性はその後1か月ほどの間、この掲示板を毎日見て自分のことが書き込まれていないかおびえる日々が続いたということで、「暇さえあれば携帯を見ていた。常にクレームのことが頭にあった。自分の名前が書かれて家族にも何かあったらと悪い方向に悪い方向にと考えていた」と振り返りました。女性は「現状では店員は泣き寝入りせざるをえない。店員の感じている恐怖を知ってほしいし、私たちもある程度守られるように変わってほしいです」と話していました。
(リンク先に続きあり)
11月9日 21時28分
スーパーマーケットや百貨店など流通業界で働く人の70%が客から暴言や説教といった悪質なクレームなどを受けた経験があると回答したことが労働組合が初めて行った実態調査でわかりました。組合側は「ここまで大変な思いをしているのかと驚いた。度を超えたクレームに対しては毅然(きぜん)とした対応を取るよう求めていきたい」としています。
この調査はスーパーマーケットや百貨店、コンビニエンスストアといった流通業界で働く人などの労働組合で作るUAゼンセンが、ことし6月から7月にかけて初めて行ったもので、全国の組合員5万人余りから回答を得ました。
それによりますと、仕事中に客から悪質なクレームなどの迷惑行為を受けたことがあると回答した人は3万6000人と全体の70%に上りました。
迷惑行為の内容について複数回答で尋ねたところ、回答した人のうち、「暴言」が49%の2万4100人、「同じ内容を繰り返す」が29%の1万4200人、「説教など権威的態度」が27%の1万3300人で、「セクシュアルハラスメントを受けた」という人もおよそ10%の4900人いました。
また、心身への影響について尋ねたところ、回答した人のうち90%近い3万3400人が「ストレスを感じた」と回答し、「精神疾患になった」と答えた人も359人いました。
中には「2時間にわたって正座させられ片方の耳が聞こえなくなった」という男性や、「客から腕で何度も胸をつつかれ、上司に報告したが、『大ごとになる』と対応してもらえず、体調を崩して精神疾患になった。私に人権はないのか」とつづった女性もいました。
UAゼンセン流通部門の安藤賢太社会政策部長は「流通業界は客と対面して接する機会が多く、長年、『お客様は神様だ』と言われてきたが、現場はここまで大変な思いをしているのかと驚いた。良心的な客がほとんどだが、度を超えたクレームに対しては毅然(きぜん)とした対応を取るよう企業に要請するとともに国に対しても法整備なども求めていきたい」としています。
関東地方のスーパーマーケットでことし9月まで働いていた40代の女性は、今回の調査でクレームなどの迷惑行為で「強いストレスを感じた」と回答しました。
女性は去年、店で中年の男性客から「SNSに書き込む」と脅されたといいます。この店では一定額以上の買い物をした客に抽せんで景品をプレゼントするキャンペーンをしていましたが、客は与えられた回数を超えても「自分はこの店の上客で、毎日たくさん買い物をしているので特別にやらせろ」と求めてきたということです。
女性が断ったところ、客は大声で「聞いてくれないならインターネットの掲示板に個人名を出して投稿することもできるんだ」と脅してきたということです。やり取りは1時間ほどにわたって続き、女性は「大声を出され、心臓がどきどきして手が震えて、何かされるんではないかと怖かった。『あんたなんて簡単にやめさせることができるんだ』と言われ、本当にこの先仕事ができなくなるのではないかと感じた」と話しました。
女性はその後1か月ほどの間、この掲示板を毎日見て自分のことが書き込まれていないかおびえる日々が続いたということで、「暇さえあれば携帯を見ていた。常にクレームのことが頭にあった。自分の名前が書かれて家族にも何かあったらと悪い方向に悪い方向にと考えていた」と振り返りました。女性は「現状では店員は泣き寝入りせざるをえない。店員の感じている恐怖を知ってほしいし、私たちもある程度守られるように変わってほしいです」と話していました。
(リンク先に続きあり)