大地震の発生時に新幹線を素早く停車させるため、JR東日本、東海、西日本の3社は、海底観測網でとらえた地震データを使ったシステムを導入する。これまでより10〜30秒早く止められるという。30日発表した。
新幹線が高速で走っているときに強い揺れに襲われると脱線する恐れがあり、できるだけ早く停車する必要がある。これまでは、線路から離れた場所に置かれた地震計や緊急地震速報などを活用してきたが、陸上のデータに限られていた。
このため、防災科学技術研究所が北海道―四国の沖合の海底に設置した約200の地震計のデータをJR3社が共有。南海トラフ巨大地震など海で発生する地震をいち早く捉え、強い揺れが達する前に減速できるようにすることにした。現在と比べ、JR東で最大20秒、東海で30秒、西で10秒早く停車できるようになるという。
まず11月1日からJR東の東北新幹線の東京―福島周辺と、上越新幹線の東京―熊谷周辺を対象に運用を始める。JR東海と西は2019年春ごろから同様の仕組みを稼働する予定。(竹野内崇宏)
新幹線の地震対策に採り入れられる防災科学技術研究所の海底観測網
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遠方地震計の改良イメージ
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