旭川中央ハイヤー(北海道旭川市)は佐川急便と共同で、乗り合いタクシーで乗客と貨物を一緒に運ぶ貨客混載事業を11月1日に始める。旭川市内でタクシー運転手が宅配の荷物を運び、個人宅などに直接届ける。北海道運輸局によると、宅配大手による貨客混載でタクシー運転手が戸別配達まで担うのは国内初という。
旭川市内のJR石北線の東旭川駅と農村地帯の米飯(ペーパン)地区を結ぶ乗り合い路線で実施する。タクシー運転手は佐川の旭川営業所で当日配達分の荷物と伝票を引き取った後、東旭川駅で乗客を乗せる。米飯地区で乗客を降ろした後に荷物を配達する。配達先が不在の場合は旭川営業所の電話番号を記載した連絡票を投函(とうかん)し、荷物を同営業所に持ち帰る。
26日に同路線維持で補助金を出している旭川市役所に報告に訪れた佐川の松井康裕北海道支店長は「ドライバーの労働環境を改善できる」と事業の効果を強調。同席した中央ハイヤーの柏葉健一社長は「人口減で利用者が年々減っている。乗車待ちや空車の時間を有効活用したい」と述べ、佐川から得る配達料で収入減を補えるとした。
乗客13人が乗れるワンボックス車を使用し、350キログラムまでの荷物を入れられる専用のボックスを車両最後部に搭載する。柏葉社長によると同路線は20キロメートルあり、積雪のない時期で片道45分かかる。配達対象は約200戸。事前に住民説明会を開き、事業を周知した。
同路線は路線バスの廃止に伴う代替交通として、中央ハイヤーが2013年から予約型の乗り合いタクシーを運行している。
以下ソース:日本経済新聞 2017/10/26 22:00
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO22752470W7A021C1L41000/