http://www.bbc.com/japanese/41632266
東アフリカ・ソマリアの首都モガディシオの繁華街で14日、大規模な爆弾攻撃が起きた。警察によると、これまでに少なくとも230人の死亡が確認され、数百人が負傷している。
ホテルの玄関付近で、爆発物が積まれた大型トラックが爆発した。イスラム過激派勢力のアル・シャバブが2007年に反政府活動を始めて以降、最大のテロ攻撃となる。
モハメド・アブドラヒ・モハメド大統領は攻撃はアル・シャバブの犯行と断定し、「凶悪な行為だ」と非難した。
犯行声明は現時点で出ていない。
大統領は「この残酷な行為は日常生活を送っていた市民を標的にした」と述べ、犠牲者の追悼のため3日間の服喪を宣言した。
地元メディアは、モガディシオで過去最大となった爆弾攻撃の翌朝には、行方不明の家族をがれきの中から探し出そうとする人々が集まって来たと報じた。
警察官のイブラヒム・モハメド氏はAFP通信に対して、「300人以上がけがをしていて、中には重傷者もいる」と話し、死者数が増える見込みだと語った。
また当局は、モガディシオ市内のマディナ地区で2回目の爆発攻撃があり、2人が殺されたと確認した。
モガディシオのサビート・アブディ市長は抗議に集まった大勢の人たちに対し、結束を呼びかけた。
同市長は、「ここは焼死した遺体の墓場であるべきではない」と述べ、「モガディシオは敬意が払われる場所であり、きょうのように私たちが結束し、前進し続ければ、アッラーの思し召しで間違いなく敵を倒せる」と語った。
BBCのソマリア人記者によると、爆発現場のすぐ前のサファリホテルは倒壊し、がれきに人が埋まっていると伝えている。
爆発を目撃した地元住民のムヒディン・アリさんは、AFP通信に対して、「これまで見た中で最大の爆発だった。地区すべてを破壊した」と話した。
一方、マディナ病院のモハメド・ユスフ・ハッサン院長は攻撃の規模に衝撃を受けていると話した。
「この病院には負傷者72人を受け入れましたが、そのうち25人が重体です。それ以外の人たちも、現場で手や足を失いました。きのうの出来事は信じられない。こんなのは見たことがない。数えきれない人たちが命を失い、焼死した人たちは認識すらできません」。
国際社会は速やかに攻撃を非難した。
アフリカ連合のムーサ・ファキ・マハマト委員長は、ソマリアが「持続可能な平和と安全を得る」ため、同連合は引き続き支援すると表明。
トルコは医療物資を載せた輸送機を送り、治療のため負傷した人たちをトルコに輸送すると表明。
米国の在ソマリア使節は声明文で今回の攻撃を「臆病」と呼び、テロとの戦いを助けるためアフリカ諸国を支援する決意を新たにしたと述べた。
英国のボリス・ジョンソン外相は遺族に対し犠牲者への哀悼の意と、ソマリア政府・市民へのお見舞いを述べた。
国連のアントニオ・グテレス事務総長はツイッターで、攻撃に「胸が悪くなった」と述べ、「テロと暴力的な過激主義に対して団結すること」を訴えた。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領はツイッターで、フランスはソマリアの味方だと述べた。
(英語記事 Somalia: At least 230 dead in Mogadishu blast)
がれきの下敷きになって身動きが取れずにいる人々がいる可能性がある(14日、ソマリア・モガディシオ)Image copyrightREUTERS
ソマリア首都モガディシオの位置