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著名な女優などに性的な嫌がらせをしたとして、警察の捜査を受けているアメリカ・ハリウッドの大物プロデューサーについて、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは「あってはならない問題だ」として、除名することを決め、映画界から事実上追放されることになります。
映画「恋におちたシェイクスピア」や「英国王のスピーチ」など、数々のアカデミー賞受賞作品を手がけたハリウッドの大物プロデューサー、ワインスティーン氏は女優やモデルなどに対して性的な嫌がらせをしたとして、警察が捜査に乗り出し、被害者として、アンジェリーナ・ジョリーさんやグウィネス・パルトロウさんらの名前が挙がっています。
これについてアカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは14日、ワインスティーン氏を除名することを決めました。
ワインスティーン氏は、アカデミー賞の選考などを行う資格を持っていましたが、除名によって映画界から事実上追放されることになります。
アカデミーは声明の中で「あってはならない問題だ。この業界で、性犯罪やセクハラに対して見て見ぬふりや恥ずべきふるまいができた時代は終わったことを明確にしたい」としています。
ワインスティーン氏による性的な嫌がらせは、業界では広く知られていた一方で、被害者は報復や仕事を失うことをおそれて名乗り出ることが難しかったということで、映画界の対応にも批判が集まっています。
ワインスティーン氏をめぐる動き
アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズが今月5日に、ワインスティーン氏によるセクハラ疑惑を報じて以降、著名な女優やモデルなど30人以上が被害を受けたと訴えました。
ワインスティーン氏はこれまでに1999年の「恋におちたシェイクスピア」や2011年の「英国王のスピーチ」など、アカデミーの作品賞を受賞したりノミネートされたりした数々の映画をてがけるなど大物プロデューサーとして知られています。
自分が手がける映画で、どの俳優を起用するかを決めるなど大きな権限を持っていました。
ワインスティーン氏の要求を拒否することは、ハリウッドで俳優やモデルとして成功できないことを意味し、被害者は報復や仕事を失うことをおそれて公表をためらい、30年以上にわたって被害が続いてきたとアメリカメディアは報じています。
映画芸術科学アカデミーは14日、映画監督のスティーブン・スピルバーグ氏や俳優のトム・ハンクス氏、女優のウーピー・ゴールドバーグ氏など54人をメンバーとする理事会を開き、この問題を協議しました。
その結果、「3分の2をはるかにこえる賛同を得た」として、ワインスティーン氏の会員権の剥奪を決めたということです。
アカデミーからの除名で、ワインスティーン氏は今後、プロデューサーとして映画作品を手がけることが難しくなり、ハリウッド映画界から事実上追放されることになります。
ワインスティーン氏をめぐっては、クリントン元国務長官が多額の献金を受けとっていたことや、オバマ前大統領の長女がワインスティーン氏の映画会社でインターンとして働いた経験があるとメディアが報じるなど、ハリウッド以外にも波紋が広がっています。
10月15日 16時23分