震災から丸6年たち、高い放射線量や廃炉作業中の原発に対する不安や、避難先での生活が長くなったことなどから、
すでに「大熊町には戻らない」と決め、避難先で居を定めた町民も少なくない。
そんな状況のなか、大熊町の渡辺利綱町長(69)は今年1月、町の中心部から離れた田畑が広がる大川原地区にある
“大川原復興拠点”というエリアに役場新庁舎を建設すると発表した。
新庁舎建設にかかる総事業費は約31億円(河北新報3月26日付け報道)。
その資金の出所は、私たちが電気代に上乗せして支払っている税金が原資になる「電源立地地域対策交付金施設整備基金」が充てられる。
また、用地取得にかかる土地代も「福島再生加速化交付金」(※2)と呼ばれる国費、
つまり税金から大川原復興拠点全体の土地取得費用のうち4分の3にあたる約1億9千7百万円が拠出されていた。
大川原復興拠点は、全町避難を余儀なくされている大熊町が、比較的放射線量の低い大河原地区を、
住民帰還の足がかりにしようとする復興拠点の名称だ。
住宅や商業施設、いちご栽培工場などもつくられる予定で、今回の新庁舎建設予定地もこのなかにある。
しかし、新庁舎建設に関しては、一部の町民から、「税金のムダづかい。使い方を間違えている」といった批判が出ている。
「(新庁舎を建てるなんて)知らねがった。大熊はまだまだ放射線量が高いから帰れねえ。
だから、いわき市内の復興公営住宅に入ることにしたんだ。新庁舎に大金を使うなら、
(大熊町からの避難者が多い)いわきに老人ホームを建ててくれたほうがありがたい」(
「町民に戻ってきてほしいなら、立派な役場を建てるより、まずは復興公営住宅が先ですよ。住むところもないのに、戻れません」
ところが、渡辺町長は先月23日、「18年度中に、この大川原地区の避難指示を解除し、新庁舎完成に合わせて町民の帰還を進める」と発表。
大川原復興拠点を、人口1万人の大熊町民のうち1割の1千人と、他県から来る廃炉関係者2千人を合わせて約3千人が暮らす町にする想定だ。
町民1千人に対して31億円の新庁舎――。到底、その人口規模に見合っているとは言えない。
そのうえ、建設予定地が町長自身の土地で、売買によって町長に土地代が転がりこむというなら問題だ。
そこで、新庁舎の建設予定地1万9439平方メートルの登記簿を調べてみた。すると、なんと5割弱の8756平方メートルが、渡辺町長の所有地であることが判明したのだ。
山形県米沢市が、地震や豪雨などの災害時に国や市からの避難情報を伝える防災ラジオ900台を市民に配布せず、
保管し続けていることが27日分かった。
市危機管理室によると、2014年度に900台購入したが、配布対象に想定していた65歳以上の独居世帯と障害者のいる世帯が、計7000世帯近くあった。
同室は「どこに配るか考えがあったわけではなく、最初の取っ掛かりということで予算を計上した」としており、
今後、土砂災害特別警戒区域に対象を絞るなどして配布するという。
時事通信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170327-00000073-jij-soci