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9月21日 5時13分
核実験を全面的に禁じるCTBT=包括的核実験禁止条約の早期発効を目指す各国の外相会合が開かれ、河野外務大臣は、北朝鮮が強行した核実験によって、CTBTの必要性はかつてないほど高まっているとして、批准していない国々に協力を呼びかけました。
核実験を全面的に禁じるCTBT=包括的核実験禁止条約は、アメリカや中国など、一部の国が批准せず、発効していません。
このCTBTの早期発効を目指す各国の外相会合が、日本時間の21日未明、ニューヨークの国連本部で開かれ、河野外務大臣が出席しました。
このなかで河野大臣は、今月3日の北朝鮮による核実験について、「これまでにない重大かつ差し迫った脅威であり、国際的な軍縮・不拡散体制に対する重大な挑戦だ。断じて容認できない。CTBTの早期発効を実現し、その検証体制の強化の必要性はかつてないほど高まっている」と指摘しました。
そのうえで、河野大臣は、国連で採択された核兵器を法的に禁止する条約をめぐる、核保有国などと非保有国の対立を念頭に、「核軍縮をめぐる国際社会の隔たりがかつてないほど大きい現在、CTBTは、関係国が具体的に協力できる場を提供する手段として、一層重要だ。核兵器のない世界の実現に向けて、すべての国が団結すべきだ」と述べ、CTBTを批准していない国々に対し、協力を呼びかけました。
仏外相と緊密な協力確認
また、河野外務大臣は、訪問先のニューヨークで、フランスのルドリアン外相と会談し、国際社会全体で北朝鮮に圧力をかけていくため、両国で緊密に協力し、中国やロシアなど各国に国連安保理決議の完全な履行を促していくことを確認しました。
日仏外相会談は、日本時間の20日夜、国連総会に合わせて、ニューヨークで行われました。
会談で、河野外務大臣は、「北朝鮮は挑発行動を継続しており、中国やロシアにも働きかけて、国際社会全体で圧力をかけ、政策を変えさせる必要がある」と述べ、北朝鮮に関する国連安保理の制裁決議の完全な履行を各国に促していく必要性を強調しました。
これに対し、フランスのルドリアン外相は、「フランスとしても、北朝鮮の挑発行動を極めて強く非難する。断固として対応したい」と応じ、安保理決議の履行を通じて、北朝鮮を対話のテーブルに引き戻すことが重要だという認識を示しました。
そして、両外相は、北朝鮮問題への対応で緊密に協力していくことを確認したほか、安全保障面での協力を強化していくことで一致しました。
PKO部隊の能力向上 支援強化を表明
また、河野外務大臣は、国連総会に合わせて開かれた国連PKO改革をテーマにした会合に出席し、改革への支持を表明したうえで、インド太平洋諸国でのPKO部隊の能力向上への支援を強化する考えを示しました。
河野外務大臣は、ニューヨークの国連本部で、国連安全保障理事会でのPKO改革をテーマにした閣僚級の会合に出席しました。
この中で、河野大臣は、日本が25年前に国連PKOに初めて参加して以来、カンボジアや南スーダンなど27のミッション・任務に、述べ1万2500人以上を派遣してきた実績を強調し、一層効果的で効率的な活動を実現するため、国連PKO改革の推進への全面的な支持を表明しました。
そのうえで、河野大臣は、「効果を高めるためには、訓練された質の高い要員が不可欠だ。現場のニーズと、派遣される部隊の能力や装備のギャップを埋める必要性が指摘されてきた」と述べ、国連やアジア・アフリカの主要なPKO要員の派遣国と協力し、アジア太平洋からアフリカに広がるインド太平洋諸国でのPKO部隊の能力構築支援を強化していく考えを示しました。