岐阜県高山市桐生町の介護老人保健施設「それいゆ」で高齢の入所者5人が相次いで死傷した問題は、25日で発覚から1週間がたった。施設は家族らへの説明を続けるが、5人に何が起きたのかは判然としない。県警は特別捜査本部を設置、本格的な捜査に乗り出した。だが目撃証言などは乏しく、難しい捜査を迫られそうだ。
死亡したのは、いずれも高山市の門谷富雄さん(80)、石本きん子さん(93)、中江幸子さん(87)。ほかに同市の91歳と93歳の女性2人がけがをして入院した。
門谷さんは7月31日、デイルームで食事中に喉を詰まらせて意識を失い、搬送先の病院で死亡。石本さんは8月6日、自室で倒れているのが見つかり、翌日に病院で死亡した。中江さんは12日に体調が急変しているのが見つかり、翌日に病院で死亡。死因はあばら骨が肺に刺さったことなどによる外傷性血気胸だった。
「当初よりも事件的な可能性が強い印象がある」。施設を運営する医療法人同仁会の折茂謙一理事長は23日の記者会見で、門谷さんを除く4人の死傷について、こう語った。発覚当初は「監視カメラもなく、事件か事故かどちらかだ」と述べるにとどめていたが、見方を変えた。
この間、中江さんと入院した女性2人の計3人に、胸や手などにあざがあったことが判明。5人の遺族、家族の中には、施設側の説明を疑問視する声も聞かれる。
5人はいずれも認知症専門フロアの2階に入居。2階には監視カメラが8台あったが、このうち門谷さんがいたデイルームのカメラを含む4台は記録装置が壊れ、残る4台もほかの4人の居室にはなかった。施設は4階建てで、当時は2階だけに監視カメラが設置されていた。
2階のエレベーターは暗証番号を入力する仕組みで、外部から自由に出入りするのは困難という。
施設によると、30代の男性職員が5人全員の介助に関わったとされるが、男性は取材に「5人の死傷には関与していない」と否定。男性は施設側の要請で17日付で退職した。
折茂理事長自身が「これだけ近接して起こることは異常」と捉える事態。地元の介護業界も成り行きを注視しており、高齢者施設の関係者は「残念。早く解決してほしい」と話した。
入所者が死亡、負傷した「それいゆ」2階
死亡したのは、いずれも高山市の門谷富雄さん(80)、石本きん子さん(93)、中江幸子さん(87)。ほかに同市の91歳と93歳の女性2人がけがをして入院した。
門谷さんは7月31日、デイルームで食事中に喉を詰まらせて意識を失い、搬送先の病院で死亡。石本さんは8月6日、自室で倒れているのが見つかり、翌日に病院で死亡した。中江さんは12日に体調が急変しているのが見つかり、翌日に病院で死亡。死因はあばら骨が肺に刺さったことなどによる外傷性血気胸だった。
「当初よりも事件的な可能性が強い印象がある」。施設を運営する医療法人同仁会の折茂謙一理事長は23日の記者会見で、門谷さんを除く4人の死傷について、こう語った。発覚当初は「監視カメラもなく、事件か事故かどちらかだ」と述べるにとどめていたが、見方を変えた。
この間、中江さんと入院した女性2人の計3人に、胸や手などにあざがあったことが判明。5人の遺族、家族の中には、施設側の説明を疑問視する声も聞かれる。
5人はいずれも認知症専門フロアの2階に入居。2階には監視カメラが8台あったが、このうち門谷さんがいたデイルームのカメラを含む4台は記録装置が壊れ、残る4台もほかの4人の居室にはなかった。施設は4階建てで、当時は2階だけに監視カメラが設置されていた。
2階のエレベーターは暗証番号を入力する仕組みで、外部から自由に出入りするのは困難という。
施設によると、30代の男性職員が5人全員の介助に関わったとされるが、男性は取材に「5人の死傷には関与していない」と否定。男性は施設側の要請で17日付で退職した。
折茂理事長自身が「これだけ近接して起こることは異常」と捉える事態。地元の介護業界も成り行きを注視しており、高齢者施設の関係者は「残念。早く解決してほしい」と話した。
入所者が死亡、負傷した「それいゆ」2階