https://www.cnn.co.jp/m/world/35106042.html
ハバナ(CNN) 在キューバ米大使館に勤務する職員が首都ハバナで「音響攻撃」を受けたとされる問題で、被害はカナダの外交官にも及び、当初の推定よりも多くの被害者が出ていることが21日までに分かった。複数の米政府高官がCNNに明らかにした。
米当局者によると、音響攻撃は2016年11月半ばごろから始まり、これまでに米外交官や家族など10人以上が治療を受けた。米国に帰国して治療を受けた外交官2人は、難聴の症状が長引いてキューバへ戻ることができなくなった。ほかにもキューバでの在任期間を予定より早く切り上げた外交官が複数いるという。
米政府当局者によれば、6月にはカナダの外交官や家族5人も攻撃を受け、同じような症状を訴えた。カナダ政府は米国やキューバと連携して、原因の究明に当たっていることを明らかにした。
高度な音波装置を使った攻撃は、ハバナにある米外交官の公邸内や周辺で発生し、被害者は嘔吐(おうと)や頭痛、難聴などの症状に見舞われた。昆虫が立てるような音や金属が床をこするような音を大音響で発生させる攻撃も起きているが、音の出所は突き止められなかったという。
外交官のうち数人は、深夜、自宅で就寝中に音響攻撃を受けたと話している。
この攻撃について米国とキューバは極秘のうちに協議を続け、5月には米国がキューバの外交官2人を国外追放した。
ハバナに駐在する外交官、特に米大使館に勤務する外交官は、キューバ政府の厳重な監視下に置かれる。自宅はキューバ政府の賃貸住宅の利用を義務付けられ、ハバナから出張する場合もキューバ人の家庭に滞在することは禁じられている。
米政府当局者によると、キューバ政府は今回の事態を深刻に受け止め、解明に向けて尽力している。この夏には、今回の事件の捜査を担当する米連邦捜査局(FBI)やカナダ連邦警察の捜査員のキューバ入国を認める異例の措置を取り、外交官の公邸周辺の警備を強化しているという。
公邸内の捜索も行われたが、音響攻撃に使われた装置は発見できず、出所は今も特定できていない。
米政府では手口の巧妙さから判断して、第3国が米国やカナダに対する報復を狙って、あるいはキューバとの関係を悪化させる目的で、攻撃を仕掛けている疑いもあると推定。捜査当局は、米国と敵対関係にあるロシア、中国、北朝鮮、ベネズエラ、イランといった国の工作員が関与した可能性について調べている。しかし現時点で容疑者を絞り込むことはできておらず、キューバがどの程度関与しているのかも不明だ。
米国でトランプ政権が発足して以来、キューバとの関係は揺らいでいる。
一方、カナダは1959年のキューバ革命後も国交を維持して、経済・外交関係を深めてきた。
2017.08.21 Mon posted at 12:22 JST
ハバナ(CNN) 在キューバ米大使館に勤務する職員が首都ハバナで「音響攻撃」を受けたとされる問題で、被害はカナダの外交官にも及び、当初の推定よりも多くの被害者が出ていることが21日までに分かった。複数の米政府高官がCNNに明らかにした。
米当局者によると、音響攻撃は2016年11月半ばごろから始まり、これまでに米外交官や家族など10人以上が治療を受けた。米国に帰国して治療を受けた外交官2人は、難聴の症状が長引いてキューバへ戻ることができなくなった。ほかにもキューバでの在任期間を予定より早く切り上げた外交官が複数いるという。
米政府当局者によれば、6月にはカナダの外交官や家族5人も攻撃を受け、同じような症状を訴えた。カナダ政府は米国やキューバと連携して、原因の究明に当たっていることを明らかにした。
高度な音波装置を使った攻撃は、ハバナにある米外交官の公邸内や周辺で発生し、被害者は嘔吐(おうと)や頭痛、難聴などの症状に見舞われた。昆虫が立てるような音や金属が床をこするような音を大音響で発生させる攻撃も起きているが、音の出所は突き止められなかったという。
外交官のうち数人は、深夜、自宅で就寝中に音響攻撃を受けたと話している。
この攻撃について米国とキューバは極秘のうちに協議を続け、5月には米国がキューバの外交官2人を国外追放した。
ハバナに駐在する外交官、特に米大使館に勤務する外交官は、キューバ政府の厳重な監視下に置かれる。自宅はキューバ政府の賃貸住宅の利用を義務付けられ、ハバナから出張する場合もキューバ人の家庭に滞在することは禁じられている。
米政府当局者によると、キューバ政府は今回の事態を深刻に受け止め、解明に向けて尽力している。この夏には、今回の事件の捜査を担当する米連邦捜査局(FBI)やカナダ連邦警察の捜査員のキューバ入国を認める異例の措置を取り、外交官の公邸周辺の警備を強化しているという。
公邸内の捜索も行われたが、音響攻撃に使われた装置は発見できず、出所は今も特定できていない。
米政府では手口の巧妙さから判断して、第3国が米国やカナダに対する報復を狙って、あるいはキューバとの関係を悪化させる目的で、攻撃を仕掛けている疑いもあると推定。捜査当局は、米国と敵対関係にあるロシア、中国、北朝鮮、ベネズエラ、イランといった国の工作員が関与した可能性について調べている。しかし現時点で容疑者を絞り込むことはできておらず、キューバがどの程度関与しているのかも不明だ。
米国でトランプ政権が発足して以来、キューバとの関係は揺らいでいる。
一方、カナダは1959年のキューバ革命後も国交を維持して、経済・外交関係を深めてきた。
2017.08.21 Mon posted at 12:22 JST