http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170808/k10011092141000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_005
台風5号は新潟県沖を北よりに進んでいます。これまでの雨で滋賀県では降り始めからの雨量が300ミリを超える大雨となって川が氾濫し、住宅が浸水する被害が起きたほか、福井県や石川県など北陸でも川の氾濫や土砂災害の危険性が高まっています。9日にかけて東日本を中心に1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降るおそれがあり、土砂災害や川の氾濫、低い土地の浸水に厳重に警戒し、山沿いや川沿いに住む人などは安全な場所で避難を続けてください。
気象庁の発表によりますと、台風5号は7日、和歌山県北部に上陸したあと、近畿から北陸を縦断し、8日午前9時には新潟県糸魚川市の北北西50キロの海上を1時間に25キロの速さで北北東へ進んでいると見られます。
中心の気圧は986ヘクトパスカル、最大風速は20メートル、最大瞬間風速は30メートルで、中心から南東側330キロ、北西側220キロ以内では風速15メートル以上の強い風が吹いています。
台風5号で特に厳重な警戒が必要なのが、大雨による土砂災害や川の氾濫、それに低い土地の浸水です。この時間、北陸や東海、関東甲信越、それに東北南部の広い範囲に発達した雨雲が流れ込んでいます。
8日午前8時までの1時間には、福井県が坂井市に設置した雨量計で33ミリ、石川県が白山市に設置した雨量計で30ミリのいずれも激しい雨を観測しました。
滋賀県の姉川は上流の米原市で7日の降り始めからの雨量が300ミリを超え、下流にあたる長浜市で氾濫が発生し、住宅が浸水する被害が起きています。
また、福井県敦賀市でも7日の降り始めからの雨量が300ミリを超え、笙の川で氾濫の危険性が高まっています。
このほか、午前8時半の時点で滋賀県を流れる高時川で「氾濫危険水位」を超え、氾濫の危険性が非常に高くなっています。
さらに、これまでに降った雨で土砂災害の危険性が非常に高まり、自治体が避難勧告を出す目安とされる「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。発表されているのは福井県の敦賀市など、石川県の金沢市や小松市など、富山県の南砺市、滋賀県の長浜市など、群馬県が嬬恋村など、鳥取県が鳥取市などです。
このあとも各地で断続的に雷や突風を伴い、1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降るおそれがあります。
非常に激しい雨のおそれがある時間帯は、関東甲信が8日夕方にかけて、北陸と東北南部では8日夜にかけて、新潟県が9日朝にかけてとなっています。
9日朝までに降る雨の量は、いずれも多いところで北陸と新潟県で250ミリ、関東で200ミリ、東北で180ミリ、甲信で150ミリ、岐阜県で120ミリ、近畿で100ミリと予想されています。
さらに、10日の朝にかけて、新潟県で100ミリから200ミリ、東北で100ミリから150ミリの雨が降ると予想されています。
すでに大雨となっている地域や今後、大雨が予想される地域では、お年寄りや山沿いや川沿いに住む人などは早く安全な場所に移動し、そこで避難を続けてください。周囲がすでに浸水するなど無理に動くと危険な場合は、建物の2階以上で崖から離れた部屋に移動するなどして、安全を確保してください。
また、大雨のたびに田んぼや用水路に流され、亡くなる人が後を絶ちません。様子を見に行かず、絶対に近づかないようにしてください。
一方、台風の接近に伴い風も強まっていて、午前4時半ごろには福井県敦賀市で28メートルの最大瞬間風速を観測しました。
近畿や東日本の海上を中心に、9日にかけて非常に強い風が吹く見込みで、最大風速は近畿と北陸で20メートル、東海と伊豆諸島で18メートルと予想され、最大瞬間風速は30メートルに達する見込みです。
海上では大しけが続く見込みで、波の高さは東海と伊豆諸島で6メートルと予想されています。
気象庁は暴風や高波にも警戒するよう呼びかけています。また、落雷や竜巻などの激しい突風にも十分注意が必要です。
8月8日 9時09分
滋賀県姉川 午前7時半ごろ