スマートフォンやノートPC、電気自動車などのハイテク製品はリチウムイオンバッテリーの普及によって実現されています。
しかし、リチウムイオンバッテリーにはメリットと同時に多くのデメリットもあるため、代替バッテリーの必要性が叫ばれています。
アメリカのIonic Materialsが、リチウムイオンバッテリーを代替する安価で大量生産可能なアルカリポリマー電池の開発に成功したと発表しています。
大容量かつ比較的大きな電圧を出せるリチウムイオンバッテリーの登場によって、家電製品を中心にさまざまな製品の性能が向上しました。
しかし、リチウムイオンバッテリーは製造にコバルトを必要としており、コバルト採掘に酷使されるアフリカの児童の問題が指摘されています。
コバルトに限らず原材料であるリチウムが世界に偏在していることから、安定供給の面でもリスクを持っています。
そして、一部のスマートフォンでは爆発・炎上する危険性が明らかになるなど、安全性の面でも問題を多く抱えています。
これらのデメリットを差し引いてもリチウムイオンバッテリーのエネルギー密度の高さは魅力的で普及はとどまるところを知らないわけですが、別の見方をすれば、リチウムイオンに取って代わる有力な電池の不在が、リチウム依存の背景にあるとも言えるわけで、世界中の研究者がポスト・リチウムイオン電池の開発に努めています。
高いエネルギー密度を持つ「アルカリポリマー電池」を開発中の、アメリカのマサチューセッツ州ウォーバーンに本拠を構えるIonic Materialsは、リチウムイオン電池を含むエネルギー貯蔵技術に取って代わり得るアルカリポリマー電池の製造プロセス開発に成功したと発表しました。
従来のアルカリ電池は安価に製造でき安全面でも優れているという利点を有する一方で、充電ができないという欠点のために家電製品に採用されることは限定的でした。
しかし、Ionic Materialsが開発するポリマーでできたアルカリ電池は充電が可能な二次電池で、電解液を使わないため安全性が高く、すでに充放電サイクルは400回まで到達しているとのこと。
Ionic Materialsはさらに3倍まで性能向上できると考えています。
Ionic Materialsが開発したアルカリポリマー電池の製造法に関しては、「プラスチックのラップのように連続的に作製できる製造プロセスを開発した」と明かされていますが、技術的な詳細はわかっていません。
しかし、リチウムイオンバッテリーと違いコバルトを使用せず、また、一般的なアルカリ電池が電極に使っている亜鉛よりも安価なアルミニウムで置き換えることにも成功しているとのこと。
Ionic Materialsは、軽量な金属であるアルミニウムを使うアルカリ電池は、一般的なリチウムイオン電池よりも軽量かつ安価になるとThe New York Timesに対して答えています。
クリーンエネルギーを使った自動車用の動力源として有力な電気自動車には高性能なバッテリーが欠かせません。
アメリカの自動車業界で成り立つAdvanced Battery Consortiumは、リチウムイオンバッテリーの製造コストを大幅に削減するという目標を立てていますが、既存の技術の延長戦ではこの実現は困難であると考えられています。
The New York Timesによると、Ionic Materialsが開発したアルカリ電池の製造技術は、Advanced Battery Consortiumの定める目標の5分の1以下のエネルギー生産コストを実現するとのこと。
Ionic Materialsは製造拠点を持たないため、技術を供与するパートナー企業として自動車メーカーを中心に交渉する計画です。
Ionic Materialsでは、今回開発に成功したとするアルカリポリマー電池の製造技術を5年以内に実用化したいと考えています。
エネルギー問題を研究するBloomberg New Energy Financeは、「電気自動車の本格的な普及は、運転するのに必要なコストがガソリンなどの内燃機関を持つ自動車のコストに一致する2025年までは起こらない」という予測を出していますが、電気自動車の本格普及の時期は、リチウムイオンバッテリーを代替する高性能かつ安価なバッテリーの実用化が大きな鍵を握っていそうです。
http://gigazine.net/news/20170807-ionic-materials/
しかし、リチウムイオンバッテリーにはメリットと同時に多くのデメリットもあるため、代替バッテリーの必要性が叫ばれています。
アメリカのIonic Materialsが、リチウムイオンバッテリーを代替する安価で大量生産可能なアルカリポリマー電池の開発に成功したと発表しています。
大容量かつ比較的大きな電圧を出せるリチウムイオンバッテリーの登場によって、家電製品を中心にさまざまな製品の性能が向上しました。
しかし、リチウムイオンバッテリーは製造にコバルトを必要としており、コバルト採掘に酷使されるアフリカの児童の問題が指摘されています。
コバルトに限らず原材料であるリチウムが世界に偏在していることから、安定供給の面でもリスクを持っています。
そして、一部のスマートフォンでは爆発・炎上する危険性が明らかになるなど、安全性の面でも問題を多く抱えています。
これらのデメリットを差し引いてもリチウムイオンバッテリーのエネルギー密度の高さは魅力的で普及はとどまるところを知らないわけですが、別の見方をすれば、リチウムイオンに取って代わる有力な電池の不在が、リチウム依存の背景にあるとも言えるわけで、世界中の研究者がポスト・リチウムイオン電池の開発に努めています。
高いエネルギー密度を持つ「アルカリポリマー電池」を開発中の、アメリカのマサチューセッツ州ウォーバーンに本拠を構えるIonic Materialsは、リチウムイオン電池を含むエネルギー貯蔵技術に取って代わり得るアルカリポリマー電池の製造プロセス開発に成功したと発表しました。
従来のアルカリ電池は安価に製造でき安全面でも優れているという利点を有する一方で、充電ができないという欠点のために家電製品に採用されることは限定的でした。
しかし、Ionic Materialsが開発するポリマーでできたアルカリ電池は充電が可能な二次電池で、電解液を使わないため安全性が高く、すでに充放電サイクルは400回まで到達しているとのこと。
Ionic Materialsはさらに3倍まで性能向上できると考えています。
Ionic Materialsが開発したアルカリポリマー電池の製造法に関しては、「プラスチックのラップのように連続的に作製できる製造プロセスを開発した」と明かされていますが、技術的な詳細はわかっていません。
しかし、リチウムイオンバッテリーと違いコバルトを使用せず、また、一般的なアルカリ電池が電極に使っている亜鉛よりも安価なアルミニウムで置き換えることにも成功しているとのこと。
Ionic Materialsは、軽量な金属であるアルミニウムを使うアルカリ電池は、一般的なリチウムイオン電池よりも軽量かつ安価になるとThe New York Timesに対して答えています。
クリーンエネルギーを使った自動車用の動力源として有力な電気自動車には高性能なバッテリーが欠かせません。
アメリカの自動車業界で成り立つAdvanced Battery Consortiumは、リチウムイオンバッテリーの製造コストを大幅に削減するという目標を立てていますが、既存の技術の延長戦ではこの実現は困難であると考えられています。
The New York Timesによると、Ionic Materialsが開発したアルカリ電池の製造技術は、Advanced Battery Consortiumの定める目標の5分の1以下のエネルギー生産コストを実現するとのこと。
Ionic Materialsは製造拠点を持たないため、技術を供与するパートナー企業として自動車メーカーを中心に交渉する計画です。
Ionic Materialsでは、今回開発に成功したとするアルカリポリマー電池の製造技術を5年以内に実用化したいと考えています。
エネルギー問題を研究するBloomberg New Energy Financeは、「電気自動車の本格的な普及は、運転するのに必要なコストがガソリンなどの内燃機関を持つ自動車のコストに一致する2025年までは起こらない」という予測を出していますが、電気自動車の本格普及の時期は、リチウムイオンバッテリーを代替する高性能かつ安価なバッテリーの実用化が大きな鍵を握っていそうです。
http://gigazine.net/news/20170807-ionic-materials/