http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170728/k10011078631000.html
ヒアリ発見の博多港 安全確認せぬままコンテナ12本搬出
7月28日 16時02分
27日、福岡市で中国から運ばれたコンテナから荷物を運び出していた作業員がヒアリに刺されて軽いけがをする中、博多港ではヒアリがそばで発見されたコンテナと同じ中国の港から運ばれた12本のコンテナが内部を確認できないまま、すでに県内外に運び出されていたことが福岡市への取材で明らかになりました。有識者からは、ヒアリが全国に拡散しかねないという懸念が出ています。
27日午前、福岡市の博多港そばにある会社の敷地で、中国・広東省から運ばれたコンテナから荷物を運び出していた作業員の30代の男性がヒアリに腕を刺され、軽いけがをしました。
これとは別に、博多港では今月21日、中国・広東省の広州から運ばれたコンテナそばのアスファルトのくぼみから40匹のヒアリが、その後も24日に50匹が確認されています。
博多港を管理する福岡市は、同じ広州の港から運ばれたコンテナ22本を1か所にまとめ、周辺を消毒するなどの措置をとりましたが、市によりますと、そのうちの12本のコンテナは内部を確認したり、消毒したりすることなく、27日までに県内外に運び出され、行き先は把握できていないということです。
市はコンテナを強制的に開けて調べる権限はないため、船会社を通じて注意を呼びかけているとしています。
これについてアリの専門家の九州大学村上貴弘准教授は、「港湾内でヒアリを封じ込めないと、全国に拡散して定着するのは時間の問題だ。少なくとも、周辺からヒアリが確認されたコンテナに関しては強制力を持って中身を確認し、消毒するルール作りを早急に進めるべきだ」と話しています。