【ワシントン清水憲司】国際通貨基金(IMF)は24日、最新の世界経済見通しを発表した。
景気が堅調に推移する日本やユーロ圏、中国を上方修正する一方、税財政政策の行方が定まらない米国を下方修正した結果、今年の世界の実質成長率は前回4月見通しと同じ3.5%増と予測した。2018年も3.6%増に据え置いた。
IMFは日本について、今年1〜3月期成長率が個人消費や投資、輸出に支えられて好調だったことを理由に見通しを小幅に引き上げた。
ユーロ圏ではフランスやドイツ、イタリアなどで「従来予想より国内需要の勢いが強い」ことを受け成長加速を見込み、中国も公共事業などの景気支援策が続くとみて上方修正した。
一方、米国は税制改革や予算編成をめぐり「政策変更のタイミングと内容に不透明感が漂い、従来の予想ほど財政は拡大しない」と見込み、下方修正した。
IMFは「世界経済の成長は足場が固まり、勢いを得ていることに疑問はない」(オブストフェルド調査局長)としつつも、依然として中期的には下振れリスクが多いと指摘。
英国の欧州連合(EU)離脱交渉のほか、中国が企業などへの融資拡大を抑制しないと「経済成長が突然減速し、貿易や資源価格を通じて他の国々に悪影響が及ぶ」などのリスクをあげた。
また、国際協調に背を向けるトランプ米政権を念頭に「多国間協調が繁栄の鍵であり、国内利益だけに基づく政策は、よくても効果がなく、悪くすればすべての国に損害を与えるものになる」とクギを刺した。
IMFの成長率見通し◇
2017年 18年
世界全体 3.5(−−) 3.6(−−)
日本 1.3(0.1) 0.6(−−)
米国 2.1(▼0.2) 2.1(▼0.4)
ユーロ圏 1.9(0.2) 1.7(0.1)
英国 1.7(▼0.3) 1.5(−−)
中国 6.7(0.1) 6.4(0.2)
インド 7.2(−−) 7.7(−−)
ロシア 1.4(−−) 1.4(−−)
ブラジル 0.3(0.1) 1.3(▼0.4)
※単位%。カッコ内は今年4月からの修正幅。▼はマイナス、−は変わらず
配信2017年7月24日 12時00分(最終更新 7月24日 12時00分)
毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20170724/k00/00e/020/178000c
景気が堅調に推移する日本やユーロ圏、中国を上方修正する一方、税財政政策の行方が定まらない米国を下方修正した結果、今年の世界の実質成長率は前回4月見通しと同じ3.5%増と予測した。2018年も3.6%増に据え置いた。
IMFは日本について、今年1〜3月期成長率が個人消費や投資、輸出に支えられて好調だったことを理由に見通しを小幅に引き上げた。
ユーロ圏ではフランスやドイツ、イタリアなどで「従来予想より国内需要の勢いが強い」ことを受け成長加速を見込み、中国も公共事業などの景気支援策が続くとみて上方修正した。
一方、米国は税制改革や予算編成をめぐり「政策変更のタイミングと内容に不透明感が漂い、従来の予想ほど財政は拡大しない」と見込み、下方修正した。
IMFは「世界経済の成長は足場が固まり、勢いを得ていることに疑問はない」(オブストフェルド調査局長)としつつも、依然として中期的には下振れリスクが多いと指摘。
英国の欧州連合(EU)離脱交渉のほか、中国が企業などへの融資拡大を抑制しないと「経済成長が突然減速し、貿易や資源価格を通じて他の国々に悪影響が及ぶ」などのリスクをあげた。
また、国際協調に背を向けるトランプ米政権を念頭に「多国間協調が繁栄の鍵であり、国内利益だけに基づく政策は、よくても効果がなく、悪くすればすべての国に損害を与えるものになる」とクギを刺した。
IMFの成長率見通し◇
2017年 18年
世界全体 3.5(−−) 3.6(−−)
日本 1.3(0.1) 0.6(−−)
米国 2.1(▼0.2) 2.1(▼0.4)
ユーロ圏 1.9(0.2) 1.7(0.1)
英国 1.7(▼0.3) 1.5(−−)
中国 6.7(0.1) 6.4(0.2)
インド 7.2(−−) 7.7(−−)
ロシア 1.4(−−) 1.4(−−)
ブラジル 0.3(0.1) 1.3(▼0.4)
※単位%。カッコ内は今年4月からの修正幅。▼はマイナス、−は変わらず
配信2017年7月24日 12時00分(最終更新 7月24日 12時00分)
毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20170724/k00/00e/020/178000c