【モスクワ杉尾直哉】ロシア下院は21日、仮想プライベートネットワーク(VPN)の使用を禁じるなど
インターネット利用を制限する一連の法案を全会一致で採択した。「違法サイトの閲覧禁止」「テロ対策」が理由だが、
反プーチン派の野党は「言論弾圧」と反発しており、23日にモスクワで「ネットの自由」を訴える数千人規模のデモを開いた。
ロシア政府は近年、ネット規制を強め、今年5月には人気の無料通信アプリ「LINE」(ライン)などの
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が国内で使えない状態になった。VPNを使えばLINEの利用や
規制対象サイトの閲覧ができていたが、今回可決された新法が来年1月に施行された後は不可能となる。
また新法はSNS利用者の特定を業者に義務づけているため、匿名でのSNS利用もできなくなる。
ロシアでは今年3月以降、反プーチン派の野党が呼びかけた反政府デモが相次ぎ、拘束者を多数出した。
多くの若者はSNSで連絡を取りデモに参加してきた。23日のデモ参加者の一人で、エリツィン政権時代に
経済相を務めたアンドレイ・ネチャーエフ氏(64)は毎日新聞に「ロシアの主要メディアは反政府デモなどについて
ほとんど報じず、ネットだけが言論の自由を保障する砦(とりで)となってきた。制限は許されない」と語った。
野党は来年3月に想定される露大統領選挙へ向け、勢力結集を図るが、SNS規制が強化されれば、大きな打撃となる。
プーチン大統領は21日、露南部ソチで開かれた青少年との対話集会で「現在、ロシアでは、いかなる検閲もなされていない。
インターネットの自由は保障されなければならないが、他のいかなる分野と同様、社会や国家の規制下に置かれなければならない」
と述べ、ネット規制を維持する姿勢を示した。
毎日新聞2017年7月23日 22時41分(最終更新 7月23日 23時09分)
https://mainichi.jp/articles/20170724/k00/00m/030/072000c
インターネット利用を制限する一連の法案を全会一致で採択した。「違法サイトの閲覧禁止」「テロ対策」が理由だが、
反プーチン派の野党は「言論弾圧」と反発しており、23日にモスクワで「ネットの自由」を訴える数千人規模のデモを開いた。
ロシア政府は近年、ネット規制を強め、今年5月には人気の無料通信アプリ「LINE」(ライン)などの
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が国内で使えない状態になった。VPNを使えばLINEの利用や
規制対象サイトの閲覧ができていたが、今回可決された新法が来年1月に施行された後は不可能となる。
また新法はSNS利用者の特定を業者に義務づけているため、匿名でのSNS利用もできなくなる。
ロシアでは今年3月以降、反プーチン派の野党が呼びかけた反政府デモが相次ぎ、拘束者を多数出した。
多くの若者はSNSで連絡を取りデモに参加してきた。23日のデモ参加者の一人で、エリツィン政権時代に
経済相を務めたアンドレイ・ネチャーエフ氏(64)は毎日新聞に「ロシアの主要メディアは反政府デモなどについて
ほとんど報じず、ネットだけが言論の自由を保障する砦(とりで)となってきた。制限は許されない」と語った。
野党は来年3月に想定される露大統領選挙へ向け、勢力結集を図るが、SNS規制が強化されれば、大きな打撃となる。
プーチン大統領は21日、露南部ソチで開かれた青少年との対話集会で「現在、ロシアでは、いかなる検閲もなされていない。
インターネットの自由は保障されなければならないが、他のいかなる分野と同様、社会や国家の規制下に置かれなければならない」
と述べ、ネット規制を維持する姿勢を示した。
毎日新聞2017年7月23日 22時41分(最終更新 7月23日 23時09分)
https://mainichi.jp/articles/20170724/k00/00m/030/072000c