北朝鮮が発射実験に成功したとするICBM=大陸間弾道ミサイルについて、アメリカ軍の高官は、ミサイルの精密さは実証されていないものの、アメリカに到達させる能力をすでに獲得しているとして、監視を強化していく考えを示しました。
アメリカ軍のセルバ統合参謀本部副議長は18日、議会上院の公聴会で証言しました。この中で、セルバ副議長は北朝鮮が発射実験に成功したとするICBMについて、
ミサイルの精密さや確実性は実証されていないとする一方で、「射程に関しては、明らかに能力がある」と述べ、アメリカに到達させる能力をすでに獲得しているという見解を明らかにしました。
そのうえで、北朝鮮が今後、ミサイルの制御技術など正確さを高めるための能力を発展させる可能性があるとして技術の進展に強い警戒感を表し、監視を強化していく考えを示しました。
また、セルバ副議長は、北朝鮮がミサイルシステムの動きを偽装したり隠したりする能力を高め、事前に弾道ミサイルの発射の兆候を捉えることが難しくなっているという認識を示し、引き続きミサイル防衛能力の向上に取り組む姿勢を強調しました。
■8割超が北朝鮮脅威と回答 米世論調査
アメリカのABCテレビとワシントン・ポストが共同で行った世論調査によりますと、81%の人が「北朝鮮はアメリカにとって脅威だ」と答え、
中でも「深刻な脅威だ」と答えた人は全体の66%に上り、2005年の調査に比べると12ポイント上昇したということです。
また、「アメリカが北朝鮮と全面戦争になる可能性を懸念しているか」という問いに74%の人が懸念していると答え、懸念していないと答えた人は25%でした。
さらに、「北朝鮮情勢に対処するトランプ大統領の能力を信用しているか」という問いに対しては、63%の人が「信用していない」と答えた一方、「信用している」と答えた人は36%でした。
ABCテレビは、北朝鮮情勢に対処するトランプ大統領の能力を信用していないと答えたのは野党・民主党の支持者の間では87%に上ったのに対して、
与党・共和党の支持者の間では19%にとどまったと指摘し、党派によって評価が大きく異なっていると伝えています。
配信 7月19日 6時39分
NHK NEWS WEB
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