東京都品川区のクリニックで男性医師が複数のワクチンを勝手に混ぜて乳幼児に予防接種していた問題で、区が抗体検査した結果、水痘(水ぼうそう)やおたふくかぜについて半数近くの子供に十分な免疫ができておらず、再接種が必要だったことが分かった。
区が保護者宛てに送った文書によると、水痘は抗体検査を受けた子供101人中48人、おたふくかぜは107人中46人で免疫が不十分。
99%程度の確率で免疫がつくとされるはしかは127人中32人、同様の風疹も127人中40人で再接種した方がよいとされた。
予防接種に詳しい新潟大の斎藤昭彦教授は「効果が低すぎる。混ぜたことでバランスが悪くなったのではないか」と指摘。
日本小児科学会は「混ぜた場合の安全性を保証するデータはない」として適切な接種を呼び掛けている。
ワクチンを混ぜて接種していたのは品川区内にあったケルビムこどもクリニック(閉院)。
4月に保護者が区に問い合わせて発覚した。記録が残る平成24年以降、350人以上に接種した可能性がある。
区は破傷風やポリオ(小児まひ)などの予防接種の効果も調べている。
再接種が必要とされた子供の母親は「再接種まで必要と思わずショック。子供にまた痛い思いをさせるのがかわいそう」と話した。
http://www.sankei.com/affairs/news/170716/afr1707160009-n1.html