全国の港湾労働者でつくる「全国港湾労働組合連合会(全国港湾)」(東京都大田区)が、沖縄県名護市辺野古(へのこ)での米軍新基地建設工事は違法であり加担できないとして、辺野古を埋め立てる土砂の運搬作業を拒否する姿勢を示している。使用者側に、作業を行わないよう求めて労使協定の締結も働き掛けている。新基地建設を巡っては、反対運動を支える「辺野古基金」に全国から支援が寄せられているが、港湾での土砂運搬作業にも広がった格好だ。 (高山晶一)
「労働者の職場が、違法な作業を行う職場であってはならない。使用者は、違法な作業を強要しない責任があるし、労働者には違法な業務命令を拒否する権利がある」。こう話すのは、全国港湾の諸見力(りき)・辺野古新基地建設反対対策委員会事務局長。使用者側との交渉次第では「ストも当然あり得る」と説明する。
全国港湾は国内最大の港湾労組で、組合員二万人余り。二〇一五年九月に反対対策委を設置し、今年二月に政府が辺野古で海上の本体工事に着手すると抗議声明を出した。沖縄の港湾労働者は、米軍基地の存在で安全を脅かされてきたという思いが根底にある。
辺野古埋め立てに必要な土砂約二千万立方メートルの八割を占める砕石は、沖縄県内二地区と、西日本六県七地区が採取の候補地とされる。各地の採石場から港に運ばれてきた採石を、船に積み込む作業を担うのが港湾労働者だ。
全国港湾は今年五月末、辺野古の工事は「違法行為」として、事業者でつくる日本港運協会に要求書を提示した。(1)政府の違法行為を看過しない(2)土砂の搬出入作業を行わないよう、会員への指導を徹底する(3)これらについて労使協定を締結する−などの内容だ。
その根拠として、辺野古工事は(1)知事の承認を必要とした公有水面埋立法に違反(2)知事の岩礁破砕許可を得ていない(3)特定外来生物の侵入を防止する県条例を犯す−などと指摘する。
これに対して政府は、辺野古の工事は適法との立場。今年三月で期限が切れた岩礁破砕許可も、地元漁協の漁業権放棄を理由に更新不要としている。沖縄県は、知事の許可を得ない岩礁破砕は違法として工事差し止め訴訟を起こす方針。
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