http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ22HA4_S7A620C1000000/
2017/6/22 13:18
高級車大手のボルボ・カー(スウェーデン)は、傘下のポールスター(同)を電気自動車(EV)など電動車両のブランドとして展開すると発表した。ポールスターはモータースポーツ向けが中心。高級EV市場では米テスラが先行しているなか、欧州勢を中心にEVは別ブランドで若い客層などの取り込みを狙う動きが広がる。
ボルボは本体でデザイン部門を率いる幹部をポールスターの最高経営責任者(CEO)に据える。ボルボは、ポールスターを「電動化した、グローバルな高性能車両の会社」と位置づける。具体的な車種などは今秋に明らかにするという。ボルボ本体は2019年に同社初のEVを発売する計画で、EV関連技術はポールスターに融通する。
ボルボは1996年からポールスターとモータースポーツ分野で協力関係にあった。10年に中国自動車大手・浙江吉利控股集団の傘下に入ってから業績が拡大し、15年にはポールスターを買収。EVや自動運転分野などで攻めの投資が続いている。ポールスターの位置づけを明確にし、EV事業を強化する。
欧州の高級車大手の間では、新興勢力のテスラが高級EVの分野で先んじたことに対する警戒感もある。独BMWは「BMWi」、独ダイムラーは「EQ」を電動車両専門のブランドとして立ち上げ、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)を投入する。従来の主力ブランドには保守的なイメージも残り、EVは別ブランドで手がける方が新規顧客を獲得しやすいとの思惑もある。