http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG16H94_W7A610C1CR8000/
2017/6/16 22:13
日本小児アレルギー学会は16日、卵アレルギーの疑いがあり、アトピー性皮膚炎にかかった乳児に対し、生後半年から少量の卵を食べることを推奨するとの提言を発表した。原因となる食材は与えないとする考え方が根強い中、卵を早くから食べることで発症を抑えられるという研究成果を踏まえた。家庭で実践する際、専門医の指導を受けるよう求めている。
食物アレルギーは体内に入った病原体などを排除しようとする免疫が食べ物を有害とみなし、不必要に攻撃することで起こる。卵アレルギーは食物アレルギーの中で最も多く、食べた直後にじんましんや下痢などの症状が出る。ショック状態になると死亡することもある。
アトピー性皮膚炎と診断された生後半年未満の乳児で、血液検査などでリスクが高いとわかった場合が対象となる。皮膚炎を治療して湿疹が出なくなってから始める。生後6〜8カ月はゆでた白身0.2グラムをメドに毎日食べ、その後は段階的に量を増やす。
国立成育医療研究センターなどが昨年、離乳早期から少量の卵を摂取することで8割がアレルギーの発症を予防できるとの結果を発表。同学会の海老沢元宏理事は「摂取を遅らせる従来の指導では患者が増えてしまう。医師だけでなく一般の人にも知ってほしい」と話した。