刑務所内の監視に小型無人機「ドローン」を活用する実証実験が、美祢社会復帰促進センター(山口県美祢市)で行われている。
法務省によると、刑務所の監視にドローンを活用するのは全国初。上空からの監視により、警備力の向上が期待される。
実証実験は、同センターの警備を担当する「セコム」(東京)が4〜6月、国の協力を得て行っている。
ドローン1機に飛行経路をあらかじめ設定し、センターの敷地(約28ヘクタール)内を全自動で巡回。カメラを搭載し、撮影した映像を同社の社員が、センター内の監視室で即時に確認できる。固定の監視カメラに比べて死角が少なく、屋上など人が立ち寄りにくい場所の監視も容易という。
同センターは2007年から、セコムなどでつくる企業グループと法務省が共同運営する全国初のPFI方式の刑務所。居室の窓に鉄格子の代わりに強化ガラスを用いて十分な採光を確保していることや、受刑者に位置情報を把握できる無線タグを付けて、原則職員の付き添いなしで移動できることなどが特徴だ。現在は、初犯の男女約750人が収容されている。
法務省によると、民間企業の職員が直接巡回、監視を行うなどして警備の一部を担う刑務所は、同センターを含め全国に4か所あるという。セコムの担当者は「実験を通して、様々な場所で実用できるよう改善に努めたい」と話す。法務省は「巡回する刑務官らの補完的な位置付けとなるが、職員の負担軽減にもつながる」としている。
2017年06月14日 20時15分読売新聞
http://sp.yomiuri.co.jp/national/20170613-OYT1T50134.html?from=ytop_ylist