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和歌山県白浜町の動物公園で生まれ育った3頭のジャイアントパンダが、将来の繁殖のため中国に渡ることになり、5日未明、ふるさとをあとにしました。
中国に向かったのは、和歌山県白浜町の「アドベンチャーワールド」で生まれ育った、6歳の双子の「海浜(カイヒン)」と「陽浜(ヨウヒン)」、それに4歳の「優浜(ユウヒン)」の、合わせて3頭のパンダです。
この動物公園では、パンダの減少に歯止めをかけたいという、中国・成都にある繁殖研究施設の呼びかけに応じて、パンダを借り受けて飼育を行い、生まれ育ったうちの3頭が繁殖に適した年齢になったため、中国に渡ることになりました。
5日午前1時からフォークリフトを使ってトラックの荷台に慎重に載せ、1時間半ほどをかけて作業が終わると、飼育スタッフは記念撮影を行い、「元気でね」などと言葉をかけて別れを惜しみました。
この動物公園で生まれ元気に成長した15頭のうち、8頭がすでに中国に渡り、合わせて10頭の子どもをもうけたということで、今回の3頭にも赤ちゃん誕生への期待が集まっています。
アドベンチャーワールドの飼育員の品川友花さんは「すてきなお父さんとお母さんになってくれると思います。中国でも、ほかのパンダたちと仲よく暮らしてほしい」と話していました。
3頭は飛行機を乗り継いで、5日夜遅く、中国・成都の空港に到着する予定です。
白浜町のパンダ 中国でも高い評価
世界で生息しているジャイアントパンダは、野生と飼育されているものを合わせて、現在およそ2000頭と見られています。
保護対策が進み、その数は回復傾向にあるとされていますが、まだまだ少ないのが実情です。
「アドベンチャーワールド」では、中国・成都にある繁殖研究施設の呼びかけに応じて、20年余り前の平成6年にパンダの飼育を始めました。
中国の施設からパンダを借り受けて取り組みを進め、子どもが生まれて無事に成長すれば、「近親交配」を避けるため中国に送り、次の繁殖に取り組む約束になっているのです。
パンダの繁殖は極めて難しいとされていますが、白浜ではこれまで15頭が元気に成長し、中国以外では世界でも類を見ない繁殖と飼育の実績を挙げています。
このうち、繁殖に適した年齢になった8頭がすでに中国に渡りました。それに加えて今回、双子の「海浜」と「陽浜」、それに妹に当たる「優浜」の3頭が中国に向かったのです。
中国では、白浜で生まれ育ったパンダのうち、「雄浜(ユウヒン)」と「秋浜(シュウヒン)」のオスの2頭が、合わせて9頭の子どもをもうけ、メスの「梅浜(メイヒン)」が1頭を産んだということです。
高い実績を挙げる白浜で生まれたパンダたちは、「白浜」にちなんで名前の一部に「浜」という漢字がついていて、中国では「浜家」と呼ばれて高い評価を受けているということです。
6月5日 4時45分