ロシアの新型ジェット旅客機、業界に大変革をもたらすか
ロイター通信:2017年 06月 1日 11:29 JST
http://jp.reuters.com/article/russian-jet-idJPKBN18S3OF
[パリ 29日 ロイター] - 今月初飛行に成功したロシアの新型ジェット旅客機は、米ボーイングと欧州のエアバスによる2大支配に挑むには苦戦を強いられるかもしれないが、未来のジェット旅客機に大変革をもたらす可能性がある。
ロシアの統一航空機製造会社(UAC)が開発した単通路型旅客機「MS21」は、高コストのオートクレーブと呼ばれる複合材硬化炉を使わず、軽量の炭素繊維複合材で造られた主翼で飛行する初の旅客機だ。
同機は、複合材を用いた航空機建造において、より安価で早い方法を探し求める欧米ライバルたちがすでに検討しているテクノロジーの試金石となると、航空業界の幹部やサプライヤーらは指摘する。
ボーイングは次期大型旅客機「777X」向けの主翼を製造するのに世界最大のオートクレーブを建設したが、最もよく売れている737型小型機と大型機の中間に位置づけされる新型中型機(NMA)の選択肢を模索している。
「NMAの一部がオートクレーブを使用せずに製造される可能性は十分ある」と、同プロジェクトに詳しい人物はこう話した。
ボーイングの広報担当者は中型機の市場機会を研究中だとし、詳しくは語らなかった。
関係筋によると、NMAに使用するテクノロジーとしてボーイングが何を選択するかは、2030年以降に登場が見込まれ、今世紀後半になっても残るであろう次世代の737型機の基礎を築くものになるという。
ボーイングはまだ明らかにしていないが、業界筋によると、戦略のなかには座席数160─210席のジェット旅客機3機が含まれ、NMA開発で使われるのとほぼ同じ製造システムで建造されるという。
どちらも30年にわたり建造され、さらに20─30年間就航する可能性が高い。
したがって、現在のテクノロジーの選択が今後75年間という壮大な年月の旅客機建造の鍵を握ることになる。
ボーイングの中型ジェット旅客機への対抗策を検討するエアバスも、このテクノロジーについて注視していると、CNNが先月報じた。
エアバスは同報道についてコメントしなかった。
<極めて重大な決断>
航空業界では1970年代から複合材が使用されているが、過去10年で特に大きな進歩を遂げた。
ボーイング787型機(ドリームライナー)とエアバスA350型機が就航を開始し、大部分の金属部品が軽量の炭素繊維に代わり、燃料費を軽減できるようになった。
長距離ジェット旅客機では、燃料費が安く済めば、たとえ航空機の建造費が高くついても、それは価値あることだ。
他方、NMAや未来の737型機のような、燃料が少なくて済む短距離航空機の場合、建造費を安く抑える方法を見いだすことがより重要になる。
また、オートクレーブの使用を回避することもその一助となり得る。
オートクレーブを必要としないテクノロジーに賭けるのは、航空宇宙産業への比重を高めつつある米ヘクセル(HXL.N)やベルギーのソルベイ(SOLB.BR)、日本の東レ(3402.T)など、複合材を提供するサプライヤーにとっても大きなギャンブルだ。
最近パリで開催された見本市では、ヘクセルとソルベイはオートクレーブを使用しない部品の試作品を展示。
量産供給に向け準備をしているという。
「オートクレーブを使用せずに、いかに早く部品を量産できるかは、航空産業における大きな課題の1つだ」とヘクセルのビジネス開発マネジャー、ヘンリ・ジラルディ氏は語る。
ただし、旅客機メーカーは性能の低下は受け入れないだろうと付け加えた。
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