・インド、パキスタン領を空爆 自爆テロに報復 緊張緩和の糸口みえず
インド空軍は26日、隣国パキスタン北東部のバラコットにあるテロ組織の拠点を空爆した。インドの空軍機が越境するのは1971年以来となり、両国が領有権を争うカシミール地方でインドの警察隊が標的となった自爆テロへの報復にあたる。パキスタンはテロ攻撃とは無関係としてインドに対話を呼びかけるが、沈静化の糸口は見えない。
両国は47年に英国から独立した際、カシミール地方の帰属を巡り衝突。過去に3度戦火を交えた。今回の空爆はこの地域で定めた停戦ラインのすぐ近くで起きた。それぞれ核保有国の印パが本格的な紛争に突入すると、アジアの安全保障のバランスが崩れる恐れが出てきた。
インド空軍は26日未明にテロ組織の最大の訓練施設を攻撃した。インド外務省は「指揮官を含む多くのテロリストを排除した」と発表。インドメディアは300〜400人のテロリストが死亡したと報じている。
カシミール地方のインド側では14日、イスラム過激派によるテロが発生し、インド警察隊の約40人が死亡した。インド政府は26日、「テロ組織の訓練施設に関する情報がパキスタンに寄せられていたが、同国は存在を否定してきた」と言及。インドは同国にテロ排除に動くよう求めてきたが「パキスタンは何の具体的な行動も起こしていない」(ビジェイ・ゴカレ外務次官)と非難した。
インドはテロ組織が新たな攻撃を計画しているとの情報を踏まえ、ゴカレ次官は「危険が差し迫るなか、先制攻撃は不可欠だった」と強調した。
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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41795250W9A220C1FF1000/