(CNN) ギリシャで複数の山火事が発生して80人以上が犠牲になった問題で、当局は26日、うち1件の火事に関して「放火の可能性を示す重大な情報」があると明らかにした。
市民保護当局高官は放火と判断した理由について、衛星画像や、アッティカ地方東部の町で出火した火事の現場検証に基づく見方としている。
政府報道官によると、ギリシャ南部では23日、3カ所で計15件以上の火事が発生。消防にとっては未曾有(みぞう)の事態になったという。
一方、犠牲者が集中した自治体の首長はCNNの取材に、危機対応の中でミスがあったと認め、避難命令が出ていなかったこと、火事の規模を「過小評価」していたことを明らかにした。
首長は強風などの気象条件の影響が大きかったとしつつも、犠牲者が出た一因には人為ミスもあると指摘。警報が出なかったことに加え、都市計画のまずさや緊縮財政の公共サービスへの影響といった長期的な問題にも言及した。
ただ、家屋数百棟が焼失したマティ一や周辺地域については、住民を避難させなかった決定を釈明。例え避難命令を出したとしても「住民は避難計画に従わず、家を守るために残る」と主張した。
しかし、多くの遺体は車内や海に近い場所で見つかっており、多数の住民が実際に避難を試みていたことがうかがえる。
https://www.cnn.co.jp/world/35123140.html