ブータンのトブゲイ首相が18日、首都ティンプーで朝日新聞と会見した。
昨夏、中国との係争地で、中国軍とインド軍がにらみ合った問題について、
今後も緊張が高まる事態は起こりうるとしながらも、「国境をめぐる話し合いを(中印と)続けており、
良い方向に向かっていく」と述べた。両大国のはざまで難しいかじ取りを迫られながらも、双方と友好関係を維持するとした。
中国軍とインド軍は昨年6月から約2カ月半にわたって、
ブータン西部のドクラム地域で一触即発のにらみ合いを続けた。
ドクラム地域は中国とブータンの係争地で、インドにも近い。
にらみ合いのきっかけは、ブータンが「自国領内」と主張する地域で中国軍が道路を建設したこと。
ブータンは「国境線は維持されるべきだ」と反発。ブータンに駐留するインド軍が現地へ向かった。
ブータンはインド軍から兵器を供給してもらったり、兵士を訓練してもらったりして、安全保障面で頼っている。
さらに、経済でもインドに長く依存してきた。最大の貿易相手国もインドだ。
トブゲイ氏は「ブータンのヒマラヤからすべての川はインドへ流れていくように、
貿易も投資もすべてインドへ、というのは自然なことだ」と話した。
ブータンは2000年代以降、中国との国交樹立へ向けて動いたが、
これに反発するインドが13年に経済支援の一部を突然廃止したため、立ち消えになった。
トブゲイ氏はインドとの関係について「どんなに良い関係でも小さな課題はある」と述べるにとどめた。
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朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASL4L5GDSL4LUHBI01K.html