[フランクフルト 28日 ロイター]
欧州中央銀行(ECB)の職員の代表らは、ドラギECB総裁の顧問に就任したローランド・シュトラウプ氏が規則に反して任命されたと告発した。ECBの専任役員会はシュトラウプ氏を「えこひいき」で選んだとしている。
ユーロ圏の銀行監督や金融政策運営を通じて大きな力を持つECBにおける「えこひいき」の存在は、職員のモラル低下を招き、各国でユーロ懐疑派を勢いづけるとしている。
シュトラウプ氏は2月、ドラギ総裁の顧問のほか、専任役員会に対する助言組織の取りまとめ役にも任命された。任期はドラギ総裁の任期が終わる2019年終わりまでの予定だ。ドラギ総裁に助言するほか、ECBの組織を運営し政策の提言をする専任役員会の他のメンバーに対する助言組織の取りまとめを担う。
シュトラウプ氏は公募ではなく専任役員会によって直接選ばれた。欧州では当局幹部の顧問はこうして選ばれることが多い。
職員委員会の議長で今回の申し立て者のひとりであるカルロス・ボウルズ氏は、ECBの規則に照らして、シュトラウプ氏が助言組織の取りまとめ役に直接選ばれることは認められないとした。
労働組合IPSOも別の申し立てで、今回の任命について告発。シュトラウプ氏個人に対する攻撃ではないとし「われわれの同僚の力量を疑うものではないことを明確にしたい。選ばれた人ではなく選ばれた過程に疑問を呈する」とした。
2017年 05月 1日 10:25
http://jp.reuters.com/article/ecb-workers-draghi-idJPKBN17X0XV?il=0