>>9 >>11 学習が成立しづらい
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学習心理学や応用行動分析では、報酬(好子)と罰(嫌子)によって人の学習行動を説明しています。
目標に近い行動をとれば報酬を与え、異なる行動をしたら報酬は与えない、といったようにです。
特に猫は、このような学習が成立しづらいとされています。
例えば、犬はお手やおすわりなど、猫よりも芸の学習に長けています。
これは、一般的に犬の方が人間(飼い主やトレーナー)に注意を向けやすく、報酬の有無にも反応しやすいためです。
一方、猫はそもそも自発的にお手やおすわりをしなかったり、しても人間に注意があまり向いておらず、報酬にそれほど反応しにくかったりします。
あまり興味のない人間から何かされても、またその行動をしようと思わない(=学習が成立しない)わけです。
発達障害の人にも同じようなところがあります。
定型発達の人ならすぐ覚えられるような行動も、学習できていないことが多くあります。
先の過敏性が邪魔して指示が届かなかったり、指示通りするのが苦痛だったり、
他者に興味がないために他の人がどうやっているかを見ていなかったり(=観察学習の不成立)するのです。
個別性を踏まえて一対一で、もしくは根気強く時間をかけて対応する必要があります。
日本社会は犬社会
群れを好み、単独行動をとる人を排除すること、1回で学べることを前提にし、
学ぶまでに何回もかかる人は笑われたり責められたりすること、これらは日本社会の、特に教育現場でよく見られる光景です。
日本の教育は戦中の軍隊式を基盤にしているため、全員が同じことを、同じようにできるようにを目指しています。
日本社会の教育課程は、定型発達を前提に作られ、定型発達の人の能力を伸ばせるように作られています。
ここまでの言い方に倣ならえば、犬による、犬のための、犬の社会です。
猫(発達障害)の生きづらさは、まさにこの部分に根差しているのです。