少しはあいつの気持ちを考えてやれよ。
第二の滝川クリステルを作ろうとした、大好評の名コンビが、くだらない歌舞伎役者に取られて。
それでもせめて幸せにくらしているならまだいいが。なんだいあれは。
三流プロモーターに成り下がって。
死ぬかもしれない病気をうつされて。
不安だろうに、周りからは責められて。誰も味方がいない。
こんな絵に描いたようなドン底への転落があるか。
恋人というほどではなかった女友達が酷い目に遭っている、の数倍キツい状況。
なにか力になれないか、変に動いて勘繰られて迷惑を掛けないか、お見舞いには行きたいが行ってもいいのか、行けるのか。
無理して頑張った最高の待遇でリモートで出演させて、具合はどうだい?言いたいことがあればどうぞ、と。
私物化してわがまま言いたいところだろう。
年の割に綺麗ですねなんて酷い褒め方だよな。
それまで陽の当たらなかった人にしてみれば、栄光の一瞬。
相手だって頼まれれば嫌でもないだろう。
やろうと思えばやれる。
それでも私的な感情を抑えて、頭の中はそのことでいっぱいで。
関大出のそんなに賢いキャラでもないおしゃべりなおっさんに、なにを期待しているのか。
あいつが今どれだけ大変か、どれだけ必死に頑張っているか、悩んでいるか、わかってやれとは言わないが、まるっきり全てを見落として物を言うのは、物を言う権利があるのかね。
言うだけなら勝手だ。好きにすればいい。
だが、そんなものに聞く価値なんかないね。