ハルヒ「今日はSOS団でお昼寝をするわよ」
キョン「お昼寝?なんだってそんな遊び疲れた保育園児みたいなことをしなきゃいけないんだ」
古泉「まぁまぁ。涼宮さんにしては平和的でいいじゃないですか」
長門「…」パタン
キョン(そういえば長門って寝るのか…?)
ハルヒ「宿直室から布団を借りてきたわよ」
古泉「では早速寝ましょうか」
朝比奈「おやすみなさぁい」
キョン(…よし、寝た振りをしながら長門を観察してみよう)
ハルヒ「Zzz」
古泉「ムニャ…まっがーれ!…ムニャムニャ…」
キョン(ハルヒと朝比奈さんを挟んでだと長門がよく見えないな…ポジショニング間違えた)ジーッ
長門(なんか見られてる)
キョン(寝てる…のか?目は開いてるように見えるが)
キョン(もしかして有機アンドロイドは魚みたいに目を開けて寝るとか…いや長門ならありえるな)
朝比奈「ん……キャベツうめえぇえ!…ムニャ…」
キョン(それにしてもピクリとも動かないな…普段から口数の少ない奴だがこっちから喋りかけないと起きてるのか死んでるのかすらわからん)ジーッ
長門(なんか見られてる)
キョン(それにしてもハルヒ…こうして寝顔だけ見てりゃかわいいんだけどな…)
キョン(ひとたび目を…口を開けばそのたび俺の寿命が縮まりやがる)
ハルヒ「ちょっとキョン!!」
キョン(!?)ビクッ
ハルヒ「おやつは300円までって言ったでしょ…ムニャ…」
キョン(寿命が2時間くらい縮んだぜ…)ゼーハー
長門(もうこっち見てくれないのかな)
キョン(はぁ…)ゴロン
古泉「ニコッ」
キョン(!?)サッ
キョン(なんだ…!?寝返りをうったら隣の古泉と目が合った気がしたが)
キョン(いや…さっきこいつ寝てたよな…気のせいだろう)ゴロン
古泉「ニコッ」
キョン(!?)サッ
古泉「ムニャ…涼宮さん…バナナはおやつに入りますか…ムニャムニャ…」
キョン(なんだ寝てるじゃねぇか。ていうかこいつ寝てるときも爽やか不気味スマイルを継続してるのか。気持ち悪い奴だぜ)ゴロン
長門(こっち見てくれないかなぁ…)
長門「…」
長門「…キョン」
キョン「!?!?」サッ
長門「…はシカ科ホエジカ属に分類されるシカの一種。環学名は…」
キョン(!?寝言か!?長門の寝言なんて貴重すぎるぜ)
キョン(寝てるんだよな…?)チラッ
長門「…」
長門(こっち見てくれた)
キョン(それにしても長門も寝るんだなぁ)ゴロン
長門「…」
長門「…キョン」
キョン(!?!?)
長門「キョンシーとは中国の妖怪の一種。長い年月を経ても腐乱することなく、動き回る死体のことをいう。」
キョン(寝てるんだよな!?)チラッ
長門「…」
キョン(…)ジーッ
長門「…」ポッ
長門(…)チラッ
キョン(…)ジーッ
長門()サッ
キョン(一瞬目が合った)
キョン「…長門?」
長門「あるーはれーたひーのことー」
キョン「おーい」
長門「まほーいじょーのゆーかいがー」
キョン「起きてるよな?」
長門「…寝ている」
キョン「長門さん?」
長門「…なに」
キョン「おはよう」
長門「寝ている」
キョン(いやいや)
キョン大賛成しそうだけど
でハルヒの夢の中に放り込まれる
キョン「その…なんだ、やっぱり宇宙人ってのは寝ないのか」
長門「…」クカー
キョン「寝たふりしなくてもいいぞ」
長門「…」スピー
キョン「…有希」
長門(!?!!??)フゴッ
長門「なななななななに?」
キョン「おはよう」
長門「…おはよう」
キョン「いやー、俺も一人で起きてても暇だし、話し相手が出来て良かったぜ」
長門(名前で呼ばれた名前で呼ばれた名前で呼ばれた)
キョン「…もしかして、お前ハルヒが北高に入学するまでの3年間、ずっと寝ずに待っていたのか?」
長門「…そう」(名前で呼ばれた名前で呼ばれた名前で呼ばれた)
キョン「そうか…それは長い3年間だったなぁ」
長門「平気」(名前名前名前名前)
長門「今はあなた達がいる。あなた達といると体感時間が短く感じるようになった」(めっちゃ嬉しいめっちゃ嬉しいめっちゃ嬉しい)
キョン「長門も少しずつ感情を表すようになったよな」
キョン「いつか、ハルヒみたいに感情がうるさいくらいに顔に出るようになったりしてな。ハハハ」
長門「わたしには、感情というものが理解できない」(ヤバい嬉しすぎて吐きそう)
キョン「実はな、俺はハルヒに感謝してるんだ。ハルヒだけじゃない。朝比奈さんにも、少し癪だが古泉にだって。そしてもちろん、お前にも数えきれないくらい感謝してるぞ、長門。」
キョン「俺もお前と同じく、ここんところ1日が一瞬で過ぎていくんだ。毎日が修学旅行みたいで、すげー楽しい」
長門(名字で呼ばれた…)シュン
キョン「最初は鬱陶しく思ってたハルヒの言動も、いつのまにかあいつの起こす騒ぎを今か今かと待ちわびてる俺がいる。いつの間にか、俺はハルヒの理不尽な団長命令を待っちまってるんだ。」
ハルヒ(…)
キョン「あいつの行動は、いつも誰かに迷惑をかけて、うるさくて、めんどくさくて、そりゃもう吐きそうになるくらい理不尽だ」
ハルヒ(…)イラッ
キョン「でもな、あいつに付いていくと絶対に楽しいんだ。それだけは間違いない。この俺が保証するぜ」
長門(起きてる)
長門(…まぁいいか)
キョン「だから俺は、どんなにめんどくさくても、うるさくても、あいつ以外にSOS団の団長はありえないと思ってる。俺の世界は大いに盛り上がってるぜ」
キョン「あ、これハルヒには内緒な。こんなこと聞かれたら恥ずかしくて3日は喉に飯が通らないぜ」
長門(手遅れ)
ハルヒ(…)///
キョン「おっと、もうこんな時間か。流石にそろそろ皆を起こして帰る準備した方がいいな」
………………………………
古泉「ふあぁ…久々にこんなに熟睡しましたよ。なんだかんだ言って、この部室が一番落ち着きますね。」
朝比奈「お布団が気持ちよかったですぅ」
キョン「たまにはSOS団にも休息が必要だな。扱き抜かれてズタボロの羽を休めるにはいい機会だったぜ」
キョン(普段いう機会のない本音も言えたしな…)
ハルヒ「…キョン、帰りましょ」
キョン「一緒にか?珍しいな」
ハルヒ「別にいいじゃない。冬の寒空の下で団員と他愛もない談笑を交わすのも団長の務めよ」
キョン「そうかい、じゃあいくぞ」
ハルヒ「あ、待ちなさい!今日は家路につくまでキョンに私の類希なる偉業をたっぷり聞かせてあげるんだから、感謝しなさいよね!!」
キョン「へいへい」
古泉「では、僕達も帰りましょうか」
朝比奈「はい。ではまた明日、部室で」
長門(…また、名前で呼んでくれるかな)
長門(…お昼寝最高だなぁ)
完
安価踏んでくれたのがお昼寝じゃなかったら詰んでた
寝る前のお遊びに付き合ってくれてありがとな
長門のキャラがブレッブレだった気がするのは気のせい
結局まだ起きてるけど長門がよかった
ハルヒSS見れてよかったわ乙