サターニャ「はっ! 宿題忘れた」
サターニャ「昨晩ちゃんとやったのに! ノート忘れるなんてっ」
サターニャ「昨日あんな事あったのよ……」
昨日
グラサン「胡桃沢、今日も宿題忘れたのか」
サターニャ「とっても悪魔的な行為でしょっ!」
グラサン「明日宿題忘れたらどうなるか分かるだろうな」ゴゴゴゴゴ
サターニャ「は、はひ!」
現在
サターニャ「どうしよう。一体グラサンに何されるのかしら」ガタガタガタガタ
ラフィ「サターニャさん、そんなに震えてどうかしたんですか?」
サターニャ「ひゃあ! ラフィエル!!」
ラフィ「そんなに驚かなくてもいいじゃないですか。そんな事より震えてどうしたんですか?」
サターニャ「宿題忘れたのよ! 宿題自体は昨日ちゃんとやったのよ!! でも、ノート忘れたのよ」
ラフィ「本当に宿題はちゃんとやったんですよね。」
サターニャ「本当よ!」
ラフィ「仕方がないですね。私のノート写していいですよ」
サターニャ「いいの?」
ラフィ「宿題はちゃんとやったんですよね。なら、写してもいいのではないですか?」
サターニャ「ラフィエル、あなた天使だったのね。はっ! 何か企んで」
ラフィ「いません。早く移さないと先生来ちゃいますよ」
サターニャ「は! そうだった!」カキカキ
サターニャ「助かったわぁ。ありがとうラフィエル」
ラフィ「いいえ。私達は友達ではないですか。困った時はお互い様ですよ」
サターニャ「天使だわ!!」
ラフィ「お世辞ありがとうございます」
放課後
サターニャ「重い〜」ドシドシ
ラフィ「どうしたんですか、サターニャさん」
サターニャ「あ、ラフィエル。豆乳が安かったから箱買いしたのよ。それで運ぶのに重くて重くてね」
ラフィ「10箱も買うからですよ。私が豆乳持つので、サターニャさんは買い物袋だけ持って下さい」ドサ
サターニャ「ふぅ! 軽くなったわ」
ラフィ「今度から物を買うときは値段だけでなく、持ち帰る時の事も考えて買って下さいね」
サターニャ「……」ジー
ラフィ「そんなに見つめてどうかしましたか?」
サターニャ「ねぇ、ラフィエルって最近優しくなった?」
ラフィ「!? 何ってるんですか!! そんなわけないじゃないですか!!」
サターニャ「私の知ってるラフィエルってこういう時は箱の上にさらに重いもの乗せて楽しむような天使だったから」
ラフィ「な! 私がそんな事するわけないじゃないですか! 私は天使ですよ!!」
サターニャ「そうよね、ラフィエルは天使だものね」
ラフィ「そうですよ。あははははは」
サターニャの家
ドサ
ラフィ「さ、豆乳も運び終わったことですし帰りますか」
サターニャ「え!? 家に入らないの!!!」
ラフィ「ええ。特に用事もないので」
サターニャ「いつもなら勝手に上がり込んで好き勝手するのに」
ラフィ「しませんよ! 腐りやすい物は早めに冷蔵庫に入れて下さいね」
サターニャ「分かったわ」
ラフィ「それでは」
サターニャ「///」
翌日 放課後
サターニャ「ラフィ……エル」
ガヴ「どうかしたか?」
ラフィ『それでね』トコトコ
ヴィーネ『へぇ』トコトコ
サターニャ「ラフィエルとヴィネットが一緒に帰ってるわ。珍しいわね」
ガヴ「そんな事ないだろ。ちょくちょく一緒に帰ってたぞ」
サターニャ「珍しいわよ!! 怪しいわね、後を付けましょう!!」
ガヴ「ふーん。私は帰る」
サターニャ「ガヴリールも来るのよ!!」グィ
ガヴ「ちょっと、引っ張るなよ!」
サターニャ「こっちの方向って」
ガヴ「ヴィーネの家の方向だな」
サターニャ「ヴィネットの家で遊ぶのかしら?」
ガヴ「目的は分かった事だし帰るか」
サターニャ「まだヴィネットの家によると決まったわけじゃないわよ! まだついて行きましょう」
ガヴ「でも、もう二人ともヴィーネの家に入ったぞ」
サターニャ「な!?」
ガヴ「ヴィーネとラフィエルを尾行したりして、何かあったのか?」
サターニャ「何でもないわよ! 何でも」
次の日曜日
サターニャ「ラフィエルの奴、なんか優しくなったりヴィネットと帰ったりどうもおかしいわね。徹底的に調べてやるわっ!!」
ラフィ『うーん、はぁ。気持ちのいい朝ね』
サターニャ「もう起きてきた!! 今、朝の6時よ!! 結構早起きなのね」
ラフィ『〇△□×』
サターニャ「何か喋ってるみたいだけど、全然聞こえないわね。外に出てくるのを待ちましょう」
数十分後
サターニャ「あ、出てきたわ」
ラフィ「ふっふーん」
サターニャ「手に持ってるのは火バサミとゴミ袋?」
ラフィ「ふーっふふ」
サターニャ「ゴミ拾いしてるわ。天使らしいわね」
ラフィ「ふふっふふ」
サターニャ「……! ラフィエル! 偶然ね」
ラフィ「あ、サターニャさん。こんな朝早い時間に、本当に偶然ですね。」
サターニャ「偶然通りかかったらラフィエルがゴミ拾いやっててね、手伝ってあげようかなと思ったのよ」
ラフィ「なら、家の中から予備の火バサミと手袋とゴミ袋を持って来るので少し待っててくださいね」
サターニャ「ええ!」
サターニャ「……」
サターニャ「はぁ。どうしてこの私がこんな悪魔らしくない事やるんだろう?」
ラフィ「自分の町が綺麗になるのはどうですか」
サターニャ「悪くないわ」
ラフィ「そうでしょう。サターニャさんがゴミ拾いをするなんて偉いですよ」ナデナデ
サターニャ「/// ちょっと! 何するのよ!!」グィイ
ラフィ「あー!」
サターニャ「後さ、最近ヴィネットと良く帰ってるけどどうして?」
ラフィ「え? あれですか? あれはえーと。最近勉強が難しくなって来てるじゃないですか。だからヴィーネさんと一緒に教えあっこしてるんですよ」
サターニャ「ふーん。本当?」
ラフィ「本当ですよ。あと、サターニャさんのためにサンドイッチ作ってきたんです。一緒に食べませんか?」
サターニャ「貰うわ」モグモグ
ラフィ「どうですか?」
サターニャ「美味しいわね」ゴクン
ラフィ「今日はいつもよりマヨネーズを多めに入れてみたんですけど、良かったです」
サターニャ「ラフィエルって意外と料理上手いのね。実家がお金持ちのお嬢様だから苦手だと思ってたわ」
ラフィ「そんなことないですよー。下界で一人暮らしするんですからそれくらい出来て当然です」
サターニャ「ふーん」
ラフィ「そうですよ」
数日後
サターニャ「またラフィエルがヴィネットと帰ってるわ!! 今週で何度目よ!!」
ガヴ「いいだろ、別に」
サターニャ「良くないわよ!!」
ガヴ「何でだよ」
サターニャ「///! 何ででもよ!! もう今日は我慢ならないわ! 明日ヴィネットに直接聞いてくる!」
サターニャ「ヴィネット!」
ヴィーネ「ん? なあにサターニャ」
サターニャ「最近、ラフィエルと一緒に帰り過ぎじゃない?」
ヴィーネ「そうかしら? そんな事ないと思うけど」
サターニャ「あるわよ! 勉強教えあっこしてるのかどうか知らないけどね! もう少し一緒に帰るの控えたらどうなの!」
ヴィーネ「え!? あ、そうね、そうするわ」
サターニャ「約束よ!」
次の日曜日
サターニャ「今日はラフィエルより先に天使的行為をしてやるわ! 名付けて、『エンジェルアクション』!」シャシャシャ
ラフィ「あ、サターニャさん。こんな朝早くに掃除とは言い心掛けですね」
サターニャ「そうでしょ!」エッヘン
ラフィ「では私も加わりますね」シャシャシャ
サターニャ「町が綺麗になって行くのってなんか清々しい気分だわ」
ラフィ「悪魔のサターニャさんからそんな言葉が聴けるとは思いませんでした。大悪魔になるのはやめたんですか?」
サターニャ「そんなんじゃないわよ! これは大悪魔の気まぐれ! 本気じゃないんだから!!」
ラフィ「うふふふふ」
また数日後 学校
サターニャ「ねぇ、ガヴリール」
ガヴ「ん? 何だよ。今私はゲームで忙しいんだから話しかけるなよな」
サターニャ「そうね。やめるわ」トコトコ
ガヴ「ん? 何だったんだ?」
サターニャ「(言えるわけないわ。最近、ラフィエルを見ると胸がきゅんとして。ラフィエルが私以外の誰かと話しているのを見ると胸が痛くなるなんて。言えるわけないわよね)」トコトコ
サターニャ「(これが、恋かしら?)」
ラフィ「サターニャさん!」
サターニャ「ひゃあ! な、なに!?」
ラフィ「腰が曲がっていましたよ。どうしたんですか?」
サターニャ「……」ドキドキ
ラフィ「?」
サターニャ「何でもないわよ。なんでも」
ラフィ「猫背は駄目ですよ。もっと姿勢を良くしてくださいね」
サターニャ「わ、分かったわ」ドキドキドキ
またまた次の日曜日
ラフィ「ふぅ。公園の草むしり終わりましたね」
サターニャ「ねぇ、ラフィエル」
ラフィ「? 何ですか?」
サターニャ「この後話があるの。1時くらいに私の家に着てくれる?」
ラフィ「いいですけど、何の話ですか?」
サターニャ「来てから話すわ! 絶対に来てね!」
ラフィ「はぁ」
サターニャの家
ラフィ「サターニャさん、一体何の用なんですか?」
サターニャ「玄関では離せないから、まずはリビングに来て」
ラフィ「一体何を話すんでしょうね」
サターニャ「座って」
ラフィ「はい」
サターニャ「あのね、ラフィエル」
ラフィ「なんですか?」
サターニャ「私、ラフィエルが好き! 」
ラフィ「え!? サターニャさん、冗談ですよね?」
サターニャ「そんなわけないでしょ!!私に宿題見せてくれたり、荷物持ってくれたり、ゴミ拾いしたり、掃除したり、サンドイッチ作ってくれたり、もう全部好きっ!!!」
ラフィ「サターニャさん……」
サターニャ「私と付き合って下さい!!」
ラフィ「…………」
サターニャ「それで、その……ラフィエルの答えを聞かせて」
ラフィ「その前に質問いいですか」
サターニャ「なによ」
ラフィ「私にその……気持ちを抱き始めたのっていつからなんですか」
サターニャ「前から少しづつよ。しいて言えば一ヶ月くらい前に宿題写して貰った事あったでしょ。そこからよ」
ラフィ「………………………………。サターニャさん、実は話さなくてはいけない大切な事があるんです」
サターニャ「何!! 何でも言って。ラフィエルのためなら何でも受け止めるわっ!!」
ラフィ「私ね、実はラフィエルじゃなくてヴィネットなのよ」
サターニャ「………………………………………………………………………………………………」
ラフィ(ヴィーネ)「サターニャー」
サターニャ「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。え?」
ラフィ(ヴィーネ)「実は一ヶ月くらい前、丁度サターニャに宿題を写した日の前の日ね。ラフィエルと私の心が入れ代わっちゃったのよ」
サターニャ「そんなぁ」プルプル
ラフィ(ヴィーネ)「それでね、サターニャ。ここからは真面目な話になるんだけどいい?」
サターニャ「何?」プルプル
ラフィ(ヴィーネ)「サターニャは私とラフィエル、どっちを好きになったの?」
サターニャ「分からないわよっ!!!!」
ラフィ(ヴィーネ)「サターニャ……」
サターニャ「私が好きになったのはラフィエルなの!? ヴィネットなの!? どっち!! ねぇ、教えてよ!!!」
ラフィ(ヴィーネ)「分からないわ。それはサターニャが決める事だから、私は決められないわ」
サターニャ「どっちなのよぉ……」
ラフィ(ヴィーネ)「話は変わるけどね、私とラフィエルの心が元に戻る方法が見つかったのよ。丁度一週間後、私達は元に戻るわ」
サターニャ「それまでに答えを見つけなきゃいけないの?」
ラフィ(ヴィーネ)「そんな事ないわ。別に私は今の事忘れるから」
サターニャ「そんなの駄目よ!! 待っててね、ラ……ヴィネット」
ラフィ(ヴィーネ)「うん」
ガヴの家
ガヴ「なぁ、サターニャはどうして私の家にいるんだ?」
サターニャ「ねぇ、私はラフィエルが好きだと思う? ヴィネットが好きだと思う?」
ガヴ「質問を質問で返すなよ。……ラフィエルもといヴィーネから聞いたぞ。私のせいで大変だったな」
サターニャ「え? ガヴリールのせい?」
ガヴ「私が神足通苦手で、新しい移動方法について調べてたんだよ。それで新しい移動方法見つけて、二人に試しにやってもらったんだけど、失敗してさ。入れ替わったってわけ」
サターニャ「ガヴリールのせいで!! よくも私の初恋を滅茶苦茶にしたわね!!!」
ガヴ「滅茶苦茶じゃないだろ。心の中では誰の事を好きになったのか、本当は分かってるんだろ」
サターニャ「/// ガヴリールの馬鹿」
ガヴ「誰が馬鹿だ!!!!」ガツン
サターニャ「ぐほっ!」
ガヴ「決まったら早く行ってこい!」
サターニャ「ありがとね、ガヴリールっ!!」
???の家
ピンポーン ガチャ
サターニャ「ヴィネット」
ラフィ(ヴィーネ)「何の用なの……。って決まってるわよね」
サターニャ「私分かったわ。私が好きなのは」
ラフィ(ヴィーネ)「……」ゴクリ
サターニャ「ヴィネットよ」
ラフィ(ヴィーネ)「サターニャっ!」
サターニャ「私はヴィネットの優しい所、親切な所、気の利く所が好きになったの。ヴィネットは?」
ラフィ(ヴィーネ)「私もサターニャが好きよ。魔界で出会ったころからずっと」
サターニャ「両思い!? やったあ!」
ラフィ(ヴィーネ)「サターニャー! あっ」
サターニャ「どうしたの?」
ラフィ(ヴィーネ)「抱きしめようと思ったけど、この体はラフィだから」
サターニャ「元に戻るまで待つわよ」
ラフィ(ヴィーネ)「ちょっと待っててね。戻れたらすぐ抱きしめてあげるからね」
サターニャ「うんっ!!」
ラフィとヴィーネが元に戻ってから数日後
サターニャ「ヴィネットっ!」ギュウ
ヴィーネ「なに、サターニャ」ギュウ
サターニャ「今度の休みはどこ行く?」
ヴィーネ「水族館なんてどう?」
ラフィ「私達の心が入れ代わってる間に色々あったそうですね」
ガヴ「ああ」
ラフィ「何があったんですか」
ガヴ「教えない」
サターニャ「私、ヴィネットと付き合えてよかったわ」
ヴィーネ「私もよ」
サターニャ「私達ずっと仲良しカップルでいましょうねっ!」イチャイチャ
ヴィーネ「もちろんよ! なぜなら私達はこれからもっと楽しい事するんだから」イチャイチャ
完
乙
ヴィネサタは案外良いカップルだと思う
綺麗なヴィーネさんならサターニャともお似合いだわ