「稼げる仕事を紹介する」と誘って監禁
警察「容疑者らを即時解雇…厳重に処罰する」
タイで拉致事件が相次ぎ、波紋が拡大する中、今度は現地の警察官らが中国人複数名を拉致して身代金を要求したとして摘発された。タイの治安に対する不安が一層高まるのではないかと懸念されている。
バンコク・ポストなど海外メディアが1月26日(現地時間)、報じた。それによると、タイ警察は1月25日、拉致事件の容疑者として、現職の警察官4人、軍のパトロール隊員1人、民間人3人の計8人を逮捕したという。容疑者らは1月23日、ラオスとの国境近くにあるタイ東部ウボンラーチャターニー州で20代の中国人7人を拉致し、監禁した疑いが持たれている。
容疑者らはラオスに滞在していた被害者たちに「稼ぎのいい仕事を紹介する」と言ってタイに誘い出し、リゾート施設に監禁して被害者の家族に身代金200万バーツ(約925万円)を要求していたことが分かった。被害者たちは容疑者らに隠れて拉致された事実と監禁場所をメッセンジャーで周囲に伝え、通報を受けた警察が現場に突入した。
タイ警察のキティラッ・パンペット警察庁長は、容疑者である警察官4人を即座に解雇したことを明らかにした。また、「これに関連する犯罪に関わった全ての警察官は厳重な行政懲戒と刑事処罰を受ける」と警告するとともに、不法移民と国境をまたいだ国際犯罪の強力な取り締まりを指示した。
このところタイでは、中国人観光客などが拉致されて周辺のミャンマーやカンボジアなどに連れていかれる事件が相次いで発生し、いわゆる「拉致注意報」が出されている。1月初めには中国の有名俳優、王星さんとモデルの楊澤hさんが行方不明になり、その後救出されたことが大きく報じられ、タイの旅行業界では中国人観光客が大幅に減少するとの見通しまで示されている。
拉致の被害者たちは通常コールセンターなど大規模な犯罪団地に監禁され、ボイスフィッシングやオンライン詐欺などの犯罪行為を強要されていることが分かった。王星さんと楊澤hさんが行方不明になったミャンマーとの国境地帯メーソートも中国人に対する詐欺犯罪や人身売買が横行しており、各種犯罪組織の拠点として有名だ。
タイ警察は1月24日、中国公安(警察)と対面で話し合い、犯罪根絶に向けて両国の治安当局が協力するコントロールセンターを現地警察庁に設置することを決めた。2月中に運営を開始する。中国当局も、被害の多いメーソート地域に別途コントロールセンターを設置する計画を明らかにした。
ムン・ジヨン記者
朝鮮日報日本語版 2025/02/03 07:00
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/02/01/2025020180004.html