日本の食卓や飲食店でも、すっかりお馴染みとなった韓国海苔。そのセリ市場で史上最高価格が飛び出した。
その品種は、全羅南道・海洋水産科学院が独自に開発した「ヘッバディ1号」。1袋(120kg)当たり108万ウォン(約12万円)で取り引きされたのだ。
この価格は、最高級とされる「イッバディドルギム(P. dentata)」の通常の競り価格(1袋58万ウォン)の2倍に迫ったというのだから驚く。全羅南道・海洋水産科学院は「加工前の水海苔の競り価格が100万ウォンを超えたのはヘッバディ1号が初めて」と伝えた。
全羅南道・海洋水産科学院によると、新品種「ヘッバディ1号」は、「イッバディドルギム」の安定的な生産を目指し、彼らが2016年から全羅南道の海域に自生する優良な葉体を選抜し、育種および品種開発の研究を進めた結果、2023年に開発された。
従来の「イッバディドルギム」よりも各胞子(種子)の放出量が多く、海苔網への付着率も高い。また、「イッバディドルギム」の特徴である葉体の縮れが多く、味が良いため、海苔養殖業者に人気があるそうだ。
近年、韓国の食品、いわゆる「Kフード」が世界的な人気を集めている。
韓国の農林畜産食品部は11月5日、今年10月末時点で農産食品の輸出累計額(暫定)が前年同期比で8.9%増加した81億9000万ドル(約1兆2479億円)を記録したと発表した。これは10月末時点の実績で、過去最高の数字だ。
Kフードのなかでも存在感が際立つ韓国海苔も絶好調だ。
そもそも世界の海苔市場規模は、2014年に4億4000万ドルだったが、2023年には10億8000万ドルにまで拡大した。年平均10.5%の成長を遂げている。このうち韓国産海苔は認知度の向上により需要が急増しており、2023年には初めて7億9000万ドル(韓国ウォンで1兆ウォン台)の輸出を達成し、世界市場の70%以上を占めた。「海の半導体」と呼ばれることもある。
『中央日報』によれば、「世界の海苔生産量は年間250億枚。このうち韓国が124億枚を生産する。日本の83億枚、中国の44億枚を大きく上回る」とのことだ。
そんな人気の韓国海苔の78%を生産しているのが全羅南道だ。そこで新たに生まれた「ヘッバディ1号」が今後、韓国海苔市場を席巻するのか期待される。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
サーチコリア 2024年11月20日
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