米中首脳会談と日中首脳会談が相次いで行われたが、それぞれ成果はあったのか。
米中首脳会談は、やはり台湾関係では平行線だった。米高官によると、習近平国家主席は台湾について、
「平和的な中台統一を望んでいる」と表明したが、武力を行使する可能性のある条件にも言及した。
バイデン大統領は台湾海峡の平和と安定の必要性を強調し、現状維持に支持を示した。
一方、中国国営メディアの報道によれば、習氏は米側に対し台湾への兵器供給の停止と平和的な中台統一への支持を求めたという。
習氏が平和的な中台統一だけを主張していれば、バイデン氏も何も言えないのだが、それでは中国共産党内での権威基盤がもたない。
それに、来年の台湾総統選において親中の国民党への援護射撃にもならない。
民進党では中国の武力行使があり得るから国民党を選ぼう、というのが同党の戦略だからだ。
いずれにしても、バイデン氏は、台湾の選挙手続きに介入しないように中国側に求めたはずだ。
経済面では、習氏はひそかに米国の制裁解除を求めていたかもしれないが、半導体や重要鉱物に関する輸出規制や投資規制など
経済問題を巡る対立構造は維持されたままだ。
バイデン氏も習氏も4時間もの対面でお互いに言いたいことを言い、多少はガス抜きになっただろう。
成果といえば、昨年8月のペロシ下院議長の訪台以降、米中間で切れていたホットラインを復活できたことだ。
中国軍が挑発行動に出て米軍機との異常接近が相次いでおり、偶発的衝突の可能性があったが、
今回のホットラインでその可能性が低くなったのは、日本など極東アジアにとってもいいことだ。
もっとも、バイデン氏は習氏歓迎の赤じゅうたんなしとか、記者会見後にわざわざ記者の追加質問に応じて、
習氏を「独裁者」呼ばわりするなど、来年の大統領選挙を意識し、対中強硬姿勢を見せざるを得なかった。
中国も、アウェーの米国に来ざるを得ない厳しい状況で、互いに手詰まり感がある。
一方、岸田文雄首相と習氏による1年ぶりの日中首脳会談は約1時間で終了した。
岸田首相は、中国による日本産水産物の輸入規制の即時撤廃、日本の排他的経済水域(EEZ)内に設置された
ブイの即時撤去、拘束されている邦人の早期解放を中国側に求めたという。
それらに対して、中国側は日本産の水産物禁輸で振り上げた拳をどうするかというそぶりはみられたが、
その他はおそらくゼロ回答だったのだろう。また、中国は日本に台湾問題に関与しないように求めたようだ。
もっとも、岸田政権の支持率が低下しレームダック(死に体)状態なので、残念ながら習氏はそれほど岸田首相を相手にしないだろう。
となると、1年ぶりに首脳会談ができたことが成果とも言える。毅然(きぜん)たる外交のためには国内基盤の強い政権が必要だ。
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
2023.11/22 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20231122-B6ZBL2S2S5K6NJIC5TEJAY7P64/
※関連スレ
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http://2chb.net/r/news4plus/1700258928/
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http://2chb.net/r/news4plus/1700381524/