中国政府が厳格な防疫政策を緩和して以降、新型コロナウイルスによる死亡者が急増し、中国国内の火葬や葬儀システムが限界に達しているとの報道が相次いでいる。
米ブルームバーグ通信は3日(現地時間)、「中国の新型コロナ統計発表が取りやめられたため正確な死亡者数は誰も分からないが、主要都市の葬儀場は既に飽和状態だ」と報道した。上海市内の竜華地区にある火葬施設は一日に500体以上の遺体を火葬しているが、これは普段より5倍多い状況だ。この施設のある職員は「今、全システムがマヒしている」「誰もここの仕事が勤まらないほど忙しい」と語った。
北京にある葬儀施設も同じだ。北京市通州区の民政局関係者は「地域の主な葬儀場では毎日遺体を140-150体火葬している」と語った。密雲区と懐柔区の葬儀場では、訪れる人々を追い返している状況だ。同通信は「このような場面が中国全土の葬儀場で繰り広げられている」「格式をもって別れの儀式をするどころか、追われるように火葬しなければならず、場合によっては共同火葬が行われ、故人と遺族の尊厳が奪われている」と報じた。
一部の遺族たちはやむを得ず、山や空き地などで遺体を火葬することもあるという。上海在住だというあるネットユーザーは先月28日、中国のメッセンジャー・アプリ「ウィーチャット(微信)」に「父の遺体を火葬するため複数の方法を試みたが、これといった方法がなかった。すべての火葬場がいっぱいだった」「中国の法律によって伝染病で死亡した場合は遺体を家に置くことができないため、近所の空き地を見つけて火葬しなければならない」と書いた。「ウェイボー(微博)」や「ツイッター」などのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)には、マンションの駐車場で遺体を火葬しているとみられる動画が拡散されている。
中国の富裕層も状況はあまり変わらない。大手不動産開発会社「万科グループ」の副総裁を務め、オフィスシェア事業体の「UCommune(優客)」最高経営責任者(CEO)だった毛大慶氏が先日、家族の葬儀を執り行って受けた苦痛をSNSで公表した。毛氏は先月21日、ウィーチャットに「火葬と埋葬の難しさは想像を超えていた」「これがまさに北京の現状だ」と書いた。習近平国家主席の「政策ブレイン」と言われている清華大学の胡鞍鋼教授も義父の葬儀のための病院移送まで数時間待たなければならなかったと明らかにしている。
関連費用も急騰している。北京市内のある火葬施設は、これまで数千元(数万円)だった火葬費用を三日以内に火葬する場合は6万8000元(約130万円)まで引き上げている。当日の火葬を希望する人には8万8000元(約170万円)要求するという。この施設の職員は「どこも遺体であふれている」「(大金を払わなければ)1カ月以上待たなければならない」と語った。
だが、このような状況であるのにもかかわらず、一部の専門家たちは「まだ最悪の状況は来ていない」とみている。死亡者数が今よりも増える可能性があると考えているのだ。英国の医療関連調査会社「エアフィニティー」は現在の中国国内の一日死亡者数を約9000人と推定している。その上で、数億人の移動が予想される今月22日の春節(旧正月)をピークに新型コロナ感染が拡大し、死亡者数も大幅に増えると分析している。
チョン・チェビン記者
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2023/01/05 08:01
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