「もうすでに韓国での検証は終わっている」
韓国のトップスターによる決意が球界を賑わせた。現地時間12月19日、KBOリーグのキウム・ヒーローズに所属するイ・ジョンフが来シーズンの終了後に、ポスティングシステムを行使してのメジャー移籍をすると明言した。
現在の韓国球界で「最高の打者」と称される24歳は、2022年シーズンに圧倒的な成績をマークした。「打高投低」の傾向にあるKBOリーグだが、打率.349、出塁率.421、長打率.575、23本塁打、113打点といずれもハイアベレージを記録したイ・ジョンフは満場一致でのMVPを受賞してもいた。
来年には国際FA(フリーエージェント)権を取得できる。そのためイ・ジョンフは中日ドラゴンズで活躍したイ・ジョンボムを追っての日本への移籍も囁かれた。実際に韓国メディア『MK Sports』は、「日本の1球団が移籍に向けた入札の準備をしていた」とすっぱ抜き、小さくない話題となっていた。しかし、本人の球界最高峰の舞台に対する憧れは強く、挑戦を決意した。
球界屈指のヤングスターの動向は、すでに韓国国内でも話題が沸騰している。日刊紙『Sports 京郷』は、今オフにボストン・レッドソックスと5年9000万ドル(約122億4000万円)+ポスティング料1540万ドル(約20億9440万円)というビッグディールに成功した吉田正尚の契約をふまえ、「日韓の野球に対する見方は違うが、少なくとも米サイト『Fan Graphs』でのイ・ジョンフへの評価はヨシダよりも上だ。ゆえに間違いなく彼と同じぐらいの契約にはなるだろう」と予想した。
また、イ・ジョンフを「来オフのFA市場を揺るがす存在」としてクローズアップしたMLB公式サイトの記事について言及した日刊紙『東亜日報』は、「もう彼にKBOは狭すぎる」と断言。来春に行なわれるWBCにおける大谷翔平らを擁する日本代表戦が「ショーケースになる」と伝えた。
「もうすでに韓国での検証は終わっている。イ・ジョンフはどんな球でもヒットに変えることができる優れたバッティング技術を持ち、それを証明してみせている。来るWBCで3度目の優勝を狙う日本は最精鋭メンバーで臨む予定で、オオタニ、ダルビッシュ、スズキらメジャーリーガーが参加する。イ・ジョンフ選手としては、現役のメジャーリーガーを相手にきちんとアピールできるかがカギになる。
ちなみに2015年に行なわれたプレミア12の準決勝で実現した日韓戦には、ほとんどのメジャー球団がスカウトを派遣。そして先発マウンドに立ったオオタニをチェックした。今回のイ・ジョンフは、その時と同様にスカウトたちの垂涎の的になるのは間違いない」
すでに今オフの自主トレをアメリカで実施しているというイ・ジョンフ。かつての“二刀流戦士”と同じように鵜の目鷹の目のスカウト陣を唸らせている逸材スラッガーには、今後も目が離せない。
構成●THE DIGEST編集部
https://news.yahoo.co.jp/articles/94385002487db96c0ad9d0880078903144b9ed08